小さいは可愛い?


夢主の背が高い設定。灰羽と幼馴染

小さい時から身長がコンプレックスだった。高校にあがって女子の平均身長を悠に超える175cm。そんな身長だったせいで私は自分を小さく見せようと猫背になっていった。
身体測定の日、縮め縮めと思いながら身長を測る。測ってもらい終わると、身長が記入された紙を測定してくれた人から貰いお礼を言う。そしてすぐその紙を見る。そこには178.4cmと記入されていた。また、少しだけど伸びてる。最悪。そう思いながら私はその紙を隠すようにして持った。隠さなくても見れる人なんて身長的に限られているわけではあるがそれでも私は隠して体重測定のほうへと走っていった。体重測定のほうには人がたくさん並んでいた。まだ時間がかかりそうだ。身長のぶんだけ体重も重いので体重測定は憂鬱だ。溜息を吐くと、私の後ろには人が並んだ。誰かと思い、見ると幼馴染のリエーフだった。
「名前、聞いて!身長が194.3cm!伸びた」
嬉しそうにして身長が書かれている用紙を見せてくる。男の子は身長が高くても自慢できて良いな。
「名前はどうだった?」
「また伸びちゃったよ」
幼馴染のリエーフに身長を教えるのは抵抗が無くて、リエーフに用紙を渡す。リエーフはそれを見ると驚いた顔をして無邪気に笑った。
「すげえ、女子でこんな高いって!」
その言葉に悪気は無いとわかっていても、胸が痛む。もっと小さくなりたいのに。また溜息がでる。
「溜息吐いて、何か嫌なことあった?」
「……身長高いのが嫌だ」
「え、何で」
「だって身長高いとからかわれるし、男子に女子として見てもらえてない。男子より背高いことだってあるし」
「それが嫌なの?」
リエーフは私が言ったことが理解できてなさそうだ。
「うーん……リエーフは小さい女の子のほうが可愛くって好きでしょ?」
少しはリエーフもわかるだろうか。例え話をすればわかりやすいだろう。しかしリエーフはわかっていないらしくきょとんとした顔で口を開く。
「俺は名前が一番、可愛いと思う」
「は?リエーフ小さい女の子好きじゃないの?」
「小さい女の子は可愛いけど名前は小さくなくても可愛い」
真顔でそんなこと言うリエーフはむかつくくらいかっこいい。
「あー……もう!馬鹿リエーフ!」
「え?え?」
とりあえずリエーフに怒りをぶつけるとリエーフはまた理解できてなくて(理解できるわけがないのだが)きょとんとした顔をしていた。
「え、ご、ごめん」
その顔を見ていたら背が高いとかもうどうでも良くなってきた。ただリエーフが好き、という気持ちでいっぱいだ。
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