2 計画的部活勧誘


「ね〜ね〜瑞城も一緒に何かしようよ〜!」

『無理』

「えー!!今年こそ青春しないと!!!」

『だって面倒だし』


ありえなーい!!、と真奈美から声がかかる


このやりとりは何回目になっただろう

あれから教室をでてとりあえず体育館について式が始まったものの所詮形だけの行事なわけで真剣に前で喋る教師の話を聞く生徒のほうが少ない

そしてさっきからずっと真奈美はこの調子だ

ことの発端は真奈美の「今年こそ部活がしたい」という言葉から始まった


『入りたいなら1人で入ればいいだろ
とにかく私はパス』

「一緒じゃないと意味ないじゃん!!」

『だいたい部活入るって何入るか決めてんのかよ』

「今のとこの候補はー、やっぱマネージャー!!」

『は?』


意外だった

真奈美はマネージャーとか面倒くさがってむしろやらないキャラだと思ってた


『因みにマネージャーって何部の?』

「おお!!よくぞ聞いてくれました!!それはね!!」



テニス部の、と真奈美が口を開いたのと同時に体育館に歓声が響いた


「キャー!!!!」
「跡部様ー!!!!」
「今日も一段と格好いい!!!」



『・・・うわ・・』

でた、跡部だ
こいつは生徒会長だから式の度に何か話すけどそのたびに起こる歓声は毎回大きくなってる気がする


「いや〜跡部様は相変わらず人気だね〜」

『聞いてるこっちからしたら毎回うるさいし勘弁してほしいんだけど』

「もーまたそんなこと言って!!
あ、ほら!もう式終わるよ!!」







やっと式が終わったと思ったらまだ周りで女子がキャーキャー言ってる
本当、あいつはどこのアイドルだよ


『真奈美、マネージャーってまじでテニス部のすんの?』

「そうそう!テニス!マネやろうよ!!」

『よりによって何でテニス部?1番面倒そうだし、だいたいあそこはマネージャーとってないんじゃ・・・』

そう、テニス部には何故か無駄に顔がいいやつがそろっててミーハーな女子に困っているためマネージャーは常に募集してないことで有名だ


「あ〜!それは大丈夫!!
だって跡部君からっ・・・と!じゃなくて!!丁度テニス部もマネージャー欲しかったみたいだよ!!


『(跡部?)・・・マネージャーだけですでにやる気はなかったけどテニス部なら尚更パス
やっぱ真奈美一人でやって』


「え!?だからうち一人じゃ意味ないんだよー!!!瑞城もやってよー!!!」

『・・・・さっきから私がいないと意味ないって言ってるけどそれってどういう意味?』

「べ、別に深い意味はないんだけど!!!いや本当!!!」

『・・・何かあやしい・・・・
まぁ、どうでもいいけどマネはやらないから
だいたい真奈美も知ってるだろ
私は跡部がー』



「アーン?俺様が何だって?」

『・・・・げ』

「お!跡部君じゃん」

「よぉ、久しぶりだな?瑞城
最近全くパーティーに来ねぇじゃねぇか」

『私もいろいろ忙しいんだよ』

「ふっ、まあいい
これからは学校でも一緒にいられるしな」

『は?』

「アーン?なんだよ?藤ノ瀬から話聞かなかったのか?」

「跡部君ー実はさぁー・・・瑞城全然やるって言ってくれなくて・・・・」

「はぁ!?お前約束が違ぇだろ!!
この前は大丈夫って言ってたじゃねぇか!!」

「仕方ないじゃん!!!跡部君が嫌われてるんだから!!!」

「な・・・!嫌われてねぇよ!!!」

「いーや!!めっちゃ避けられてるじゃん!!!」

「くっ・・・!それは照れ隠しなんだよ!!!
つうか、お前その胃袋の中に入ってるパフェだしやがれ!!!
それは瑞城がテニス部のマネをやる約束で奢ってやったもんだろうが!!!」

「え!?ちょっ!!無理無理!!!うわっ!!引っ張らないでよ!!!」


『おい』



「「何!?」」


『真奈美、跡部に買収されたのか』


「え!?いや・・・買収されたっていうかその・・・・」

『マネージャーやるって言い出すからおかしいとは思ったけど
まさかパフェの為とはね』

「いや・・・その・・・・・だって学食限定のパフェだよ!?それも1番高いやつ!!それに跡部君から取引しようとか言い出したし!!!」

「てめっ!!のってきたのはてめーだろうが!!まあ役に立たなかったがな!」

「だからごめんってば!!瑞城も本当ごめんー!!!そんな睨まないで!!!」

『つか跡部も跡部だろ
なんで真奈美を使うんだよ』



「アーン?何だ、俺様から直接言って欲しかったのか?
クク・・可愛いやt『真奈美、さっさと教室戻るぞー』



「はーい
跡部君ドンマイ(笑)
瑞城は誰にも渡さないからね(`ε´)
じゃ!そういうことで〜」



「アーン?おい!待て!まだ話は終わってねぇ!!!」

















「跡部君も懲りないね」

『つか今回は真奈美が悪いだろ』

「だからごめんよぉ〜!」


『ほら、もういいから
教室ついたからさっさと入って』


「・・・・瑞城〜!!!」


『はいはい』



何て言うか

初日から疲れた気がした