天仰ぐ少女と北極星
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食堂はやはり朝食を取りに来た人でいっぱいだった。

幸い席は空いていたので向かい合うようにしてシファと共に座る。これが見取り図を取りに戻ってからだったら座ることはできなかっただろう。彼女に感謝である。

「シファさんのおかげで助かりました。本当にありがとうございました」

我ながら似合わない笑顔を浮かべ、彼女にお礼を述べる。
作り笑いとはいえ人に笑顔を見せたのはいつ以来だろう。

「そんなのいいのよー、私も2人で食べることができて嬉しいし。それと、私のことはシファでいいのよー? ギルドでは歳なんか関係なしにみんな仲良しだもの」

……"仲良し"か。
今までそういうものとは縁がなかったが、それもたまにはいいかもしれない。

「――ではお言葉に甘えて」

「ええ。よろしくねー、メーアちゃん。…ところでメーアちゃんは今日から任務ー?」

こくり、メーアは頷く。

「そう、じゃあ依頼掲示板と昇階制度についても説明した方が良さそうかしらー」

朝食のパンをひと口、口に放り込みながら喋り続けるシファ。

「依頼掲示板というのは名前の通り、国民からの依頼が貼ってある掲示板。エントランスの2階にあるのよー。昇階制度というのは、その依頼掲示板に貼ってある依頼をこなしてポイントを貯めたらランクが上がって新しい称号が貰える制度のことをいうのー。簡単にいうと、出世するためには数多く効率的にポイントを貯めなさいってことかしらー?」

なるほど、これについては少しだけだがメーアも聞いたことがある。
依頼にも難易度があり、難易度の高いものほど成功させた時のポイントが高いらしい。
まあ、ポイントの高いものはランクの高い戦闘士でなければ受けることさえできないようだが。

「今一気に喋っちゃったけれど、ちゃんと理解できたかしらー?」

「ええ、大丈夫。本当にありがとう、シファ」

メーアがお礼を述べると、シファは頷いて目を細める。

朝食を食べ終わったら早速見に行こう。メーアは心の中で頷き、残りのパンを口に放り込んだ。



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