「なんで!?」

「今日はすっごく疲れたみたいで、ご飯もそこそこにもう寝ちゃったのよ」


会える喜び噛み締めて、勇んで帰ってきたのに幸村はもう寝てしまったらしい。


そんな……


「まだ10時前じゃん…今日普通に学校でしょ?疲れるって、何を…」


確かに、幸村はおねむになるのいつも早いけど、それにしたって早すぎでしょ!?


「夕方に政宗くん家から帰って来たときにはもう、おとなしくてね。遊び疲れたのかしら。今日はもう寝かせてあげてね」



……。



まさむね、だ、と……?




やっぱり、、、、

やっぱりあいつか。

オレに厄災しか運んでこない悪の根源、伊達政宗。オレの輝かしい人生の邪魔ばっかりしやっがてちくしょー。なんなんだあいつは!!あいつは一体オレに何がしたいんだ!!っていうかオレが、あいつに何したんだ!!くっそぉおおーーさせるかぁぁああ!!!


「幸村ぁぁーー!!!」




階段を 

あがろうとした足に

父の腕


「ぎゃぁあっ!!」


べちーんって、激しい音とともに結構な勢いで、顔面を階段に強打した。

またしても、オレと幸村の間に実父という、絶壁が立ちふさがり、せめて寝顔だけでも拝みたいというオレの小さな願いから、夜中決行され続けた秘密作戦はすべて未遂に終わった。




翌朝。


「なんで!?」


来ない……

来ない、来ない。
来ないよ!?来ないよ、
オレの天使がッ!!

毎朝決まった時間に、必ず起こしにくる、Myメルヘンが来ないじゃないか!!イヤだよ、オレ起きないよ!!あの可愛い声で優しく起こしてもらわなきゃオレの一日は始まらないんだよ!!!!


「佐助くん」

「イヤだよ母さん!!絶対起きないからね!!
オレをベッドから出したいなら幸村を出せ!!」


「それが何回声かけても幸村起きないのよ。
佐助くんから声かけてくれないかしら?」

「幸村ぁぁーー!!!!」




オレは全力で幸村の部屋に向かい、ドアを抉じ開けた。

 

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