戀の闇:1

例えば、


誰にも

本気にならないと

吹いて回って
遊び歩いてきた人間が


初恋をしました


なんて言ったら



どんな報復を

受けるのかな
















戀の闇














父ひとり、子ひとり。
18年間この家で支え合ったり、イイ具合にほうっておかれたりしながら何となく生きて参りました。

母のことは一切記憶にないので、別にふたりだけで寂しいとか思ったことはないです。
初めからないものを恋しがったりはできません。

小さいときは想像してこんな感じかな、とか思ったりもしたけど、オレの中には母親という概念そのものが住んでいないので、結局のところは想像を超えることはできないのです。



そんなオレは父親のDNAだけは色濃―く受け継いだようで、母という人はいなくても、女の人に困ったことはありませんでした。


いわゆる、初めてを、
近所に住んでたおねーさんに、襲われる形で奪われたのが6年前。

それから、何でか、いつも年上に気に入られて、よくまぁお世話になりました。主に下半身が。


あえて口には出さなかったけど、父さんは薄々気づいてたみたいで、毎回家をでるときにいってらっしゃいとか言いながら、上手くやれよ、みたいな視線を寄越してきました。


たぶん、なかには旦那も子供もいる人もいたからそのことを言ってたんだと思います。


そんなところ父親ぶられても結局は父さんも同じ穴の狢。

さすがに家には連れこまなかったし、無論、言いもしなかったけど、外ではそれなりに上手くやってたと思います。

まぁ、オレはあんまり父さんの悪口言えないわけで。何せ傍から見ると容姿含め、手が早いのも込みで父さんとオレは気持ち悪いくらい似てるらしいから。




 

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