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「幸村の言うとおり、オレはいろんな人とDVDみたいなことしてたよ」


その言葉にわぁと顔を上げて、幸村は下唇を噛んだ。


かなり言いづらい。
事実を告げるのが。
でも嘘はつきたくない。


「幸村と母さんが来るまで、オレは父さんと二人っきりの家族だった。寂しい、なんて思ったことはなかったんだけど、母親ってどんな感じなのかなって考えてた。家族ってどんなんかな、とか、甘えるってどういうのかなとか、自分だけを見てもらうってどんな気持ちがするんだろうとかさ。だからね、捜してたんだよ。
どっかに自分だけを見てくれる人がいないかなって」


半分後付け、半分本心。

驚いたように目を見開いた幸村はオレを見つめる。

ちょっと罪悪感。
別に感動ストーリーにもっていきたいわけじゃない。

ただ、不潔扱いと、嫌われるのは耐えられないっていう話で。


「でもなかなか見つからなくて、気づいたら、幸村の言うとおり、いろんな人と関係持ってるっていう、最低な結果になっちゃっててね。ま、上手くいかないもんだよね」


はぁとかワザとらしいため息つけば、佐助……なんてちょっと哀れんだ視線を送られた。


「だけど神様は見捨ててなかったみたいだね。幸村と母さんがオレの家族になってくれた。父さんと母さんが出会ったからこそ、オレも幸村と家族になれた。嬉しかったんだよ。やっと見つかったって思った」


ベッドの上のちっちゃい塊に、にっこり笑いかけたら、真っ赤な目、もっと濡らして、オレの首にひしとしがみついてきた。


「うぅ……ざずけぇ…俺もお前と家族になれて嬉しい」

「そ、よかった」


寝癖のついた頭を撫でてやれば、中学生にしては小さな体を更に摺り寄せてきた。


すると。


「安心しろ佐助!!俺がずっとそばにいてやるからな!!」

「ほんとに!!それ絶対!?」

「あぁ!!だが……」

「なに?なによ?」


「もう、こんなこと。いろんな人と……その、破廉恥なことするのは」

「しないしないしない!!ぜーったいしない!!現に幸村が家にきてからは誰ともそういうことしてないし!!」



 

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