10
いや、まて。
確かにえろDVDは未知との遭遇だったかもしれないけど、なんでそれが佐助嫌い!!につながるんだ……?
むしろ政宗嫌い!!になるだろ。オレ関係ないし。
両手に絡まる政宗を勢い任せに投げ捨て、幸村のもとへ駆け寄る。
「ねぇ幸村。どうして嫌いなんて言うの?
わかりやすく教えてちょうだいな」
触ると怒られるので、枕に突っ伏して見えない顔を遠めに覗き込む。
ぐずぐず言ってなかなかこっちを向いてくれない幸村。
なんだかね、もう…オレが泣きそう……
しばらくの沈黙。
転がる政宗が鼻で笑う。
イラっとくるけどそこは耐える。
お返事はまだない。
段々。イラっとくるけどそこも耐える。
そして訪れた限界。生まれ持った性質として。
手が早いんですよ。
オレはもう幸村を無理矢理起こそうと肩に手を伸ばしたそのとき、
「佐助も、するんだろ?」
枕に押し付けていた顔を少しだけ傾けて。
かすかすの声でオレをまっすぐに見つめる。
「なにを?」
「でぃ、ディーぶぃディーみたいな、こと」
へ?
DVDみたいなことって……それは、いわゆる…、
「えっ、みたいなって……え、はい…します」
いやしないなんてそんな男だし…女だって、むしろ人間なら…もっと言えば生きてるなら
誰だってするでしょう?
「あのね、いやプレイ内容はどんなだったかしらないけど、つーか政宗の趣味だろうけど、その、みんなすることだよ。
幸村は、その、初めてそういうの観たからびっくりしちゃったよ、ね?」
まぁそのへんだらしない人間のオレが、人類皆兄弟みたいなこと言ったら、袋叩きにあいそうだけど。
「で、でも佐助はっ、いろんな女の人とあ、あんな、はだかで、はれんちなことしてるって」
破廉恥!?
「政宗殿が……」
[ 10/14 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]