・道端

「頼、今日はハロウィンらしいぞ」「…だから?」「友達から聞いたんだ。とりっくおあとりーと、ってな。何かくれ」「何もねーし」「じゃあイタズラだな。何して欲しい」「んなの聞くことじゃねーだろ」「じゃあ、イタズラは一週間私に触れさせないってことで」「…今から菓子作る」


・オオカミ

「トリックオアトリートお!」「……」「なんなの?その顔!」「いや、店長の姿ってハロウインに似合うな、と」「でしょ?ほらほら、早く一ノ瀬さん。お菓子くれないといたずらしますよ!」「ああ、はいどうぞ」「え…、持ってたんだ…」

イタズラできると思ったのに!!



「一ノ瀬さんっ、トリックオアトリート!!」「…、一ノ瀬なら帰ったぞ」「うええ!嘘でしょ!俺まだ一ノ瀬さんからお菓子貰ってないですよ!」「お前、いつまでも影薄いな。俺のようにオーラを放ったらどうだ、オーラを」「…でも俺、野田さんから貰ったもんね」「」




・NL

「今日はハロウィンみたいです、先輩」「あー、あのお菓子くれなきゃイタズラするぞとか言って人に菓子を用意させ強奪するという迷惑極まりない誰が考えたのか理解不能なお祭りな」

天才と称される先輩は海外の論文を読みながら私にダラダラとハロウィンの説明をした。


「お前、そんな事ゆーんならコンビニ行って俺の菓子買ってこい。あ、やっぱゴディバな」「嫌ですよ、何言ってるんですか」

あんだけハロウィンを否定しといて何を言うか。私が即答すると、切れ長の涼しげな目をこちらへ向ける先輩。ニヤリ、薄い唇は上手く弧を描いた。


「何や、イタズラされたいんか?」

端正な薄顔を徐々に近づけてくる。くそ、胸が高鳴るなんて、そんな事は無い!ときめいたんちゃう!

「いっ、行って来ます!」「おー、天才の俺の舌に合う菓子で頼むわ、ゴディバな」「うまい棒買うわ!バーカ!!!」




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