【あなたの手で】

眠たい、のだろうか。視界が虚ろだ。ソファに乗ってる身体は重い。今日はバイトも終わったし、早く帰ろう。だけど、身体が動かない。と、誰かがぽんと私の頭を撫でた。「一ノ瀬さん、ちょっと寝てから帰った方がいいよ」その手は魔法のようで、私はストンと眠りに入った。



【その男、美を持つ】

「眠いな…」
「夜遅くまで、小説書いてたんですか?」
「まあね。…ふああ、」
「……」
「…なに?」
「野田さん、今、凄く無防備だなと思って」
「…椿くん、どうせ何も出来ないくせに」
「……、そんな事言えるの今だけですから」
美しい彼の笑みに、不覚にも身の毛がよだった。



【わんこの気持】

恋なんて、一時だけの幸せな産物だ。俺は多分物に執着するタイプじゃないし博愛主義だから奪おうなんて思わない。だけど面白くないから口だけは言っといて、心の中ではあなたの幸せを願っています。
「おはよう。二階堂くん」
「おはようございます、一ノ瀬さん」





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bkm


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