影村君と引っ込み思案娘

※影村君を意地でも良い子にしたくて迷走したらなんかよくわからなくなった上に収集がつかなくなったので途中だけど投下。引っ込み思案どころか最早ただのコミュ障。産廃レベル。時間軸は花村が引っ越して来てちょっと経ったあたり。







つい先程、変わった人間がこちら側にやって来た。俺のホンモノさんが通ってる学校の制服を着た人間。その人間の特徴を挙げるなら恐らく誰もが挙動不審と答えるだろう。

「えっと…あの…その…」

「さっきっから何なんだよはっきりしねぇな、犯すぞ」

「ひゅい!?すすすすすすみません!本当にすみません!生きててすみません!」

ちょっとした興味本意。本当に軽いノリでその人間の前に姿を現した俺。ぶっちゃけ今物凄く後悔しているのだかそれは後の祭りなわけで…

「(ひゅい?)いや、そこまで謝らなくても…」

「鬱陶しくてすみませんすみませんすみません…」

ウザい、ただただウザい。

「はぁ…もういい、もうお前さっさと帰れよ。見てるだけでイライラする」

「帰り道がわかりません本当にすみませんうわぁぁあぁあん!!」

「ああもう泣くなよ!一緒に出口探してやるから泣き止め!」

「迷惑かけてごめんなさいぃぃいぃ!」

謝るだけで全く動く気配がないので取り敢えず手を掴んで歩きだす。何か物凄くビビられたがそんなのは無視。てかこの人間手汗がヤバい。どんだけテンパってんだよ。

「つーかお前どっちから来たんだ?だいたいの方向くらいわかんだろ」

「た、多分あっちです…」

「多分ってお前なぁ…」

「すすすすみません!」

歩くこと小一時間。人間が小さな声で何か言い出した。

「………」

「あ?何か言ったか?」

「ひゅい!えっと、多分この辺り、です。最初に見た景色、こんなんだった、です、はい…すみません…」

だからひゅいってなんだよ。て言うかもっと普通喋れねぇのかこいつ。そんな疑問を胸に抱いた訳だが、今はもっと言いたい事があるのでそちらを言うとしょう。

「てめぇここ一番最初に俺達が会った場所のすぐそばじゃねぇか!本気で犯されてぇのかてめぇは!」

「すすすすみません!き、きき霧が濃くてわからなかったんですすみませんすみません!」

とんだ無駄足じゃねぇかチクショウ。まぁいい、出口探すか。…って何で俺こんな頑張ってんだ?こいつに自分で探させればいいじゃねぇか。何でこんなに必死なんだ?こいつが泣いてるからか?訳わかんねぇ…

「!これです!私此処から来たです!」

急にはしゃぎ出したと思ったらあいつは怪しい四角い物に近づいて行った。

「あ、あの、迷惑かけて本当にごめんなさい、でした。貴方のお陰で私帰れる、です。本当にありがとうございました、です!」

何か言葉遣いがだいぶ変だがペコペコお辞儀をしながらお礼を言うそいつは、頗る嬉しそうな顔をしていて無性にムカつく。適当に返事を返すと、そいつはそそくさと帰ろうとしやがったので片足を掴んで思いっきり引っ張ってやったら物の見事に転びやがった。パンツが丸見えだ。

「ひゅい!?ななな何するん、ですか!?」

「だからひゅいってなんだよ。…いや、それはおいといて、てめぇ何さっさと帰ろうとしてんだよ。ぶっ飛ばすぞ」

「ひぇえぇええ!すみません!」

「はぁ…お前名前は?」

「うぇ…?」

「だから名前だよ。お前自分の名前も言えねぇのか?」

「名前!苗字名前です!」

「名前か、よし覚えた。おい名前お前取り敢えず俺に礼の一つや二つ寄越しても良いんじゃねぇのか?仮にも出口探してやった恩人だぜ?」

俺がそう言うと名前は急に慌てだした。何で百面相してんだよ。ここは素直にそうですねでいいだろ。何なんだよマジで。

「あの!」

「!きゅ、急にデカイ声出すんじゃねぇよ!」

「ひぇえ!すみません!」

あ、やべぇまた泣きそうだ。これじゃ話が進まねぇ。そう思った俺は話を続けるように促す。

「あ、あのですね、貴方はえっと、転校生の花村君で合ってる、ですか?」

「あ?あー、まぁ合ってるっちゃあ合ってる」

「え、違う、ですか?」

「我は影、真なる我」

「え…?」

「もう一人の花村陽介(アイツ)だと思ってればいい」

「…わかりました。では、影村君と呼ばせてもらいます」

随分安直なあだ名なので文句でも言ってやろうと思ったが別に悪い気はしないので特別に許可しようと思う。


無駄に長くなってしまったので取り敢えずここまで
中途半端サーセン