「アサオって性別不詳だよね。なんで?訳あり?」
「いえ、そういう訳ではありませんよ」
「じゃあパンツ脱いで」
「捕まったらどうするんすか」
「大丈夫だよ、たぶん」
「私はたぶん大丈夫じゃないと思います」
「ケチ」
「ケチとかそういう問題じゃないと思います」
「じゃあなんで隠してるの?」
「別に隠しているわけじゃないですよ。ボスはシュレーディンガーの猫を知ってますか?」
「観測しない限り猫は生きてもいるし死んでもいるってやつでしょ?」
「そう、それと同じですよ。私が服を脱いで他の人間に見られない限り、私は男でもあり女でもあるんですよ」
「それで?」
「わかりませんか?私という存在がパラドックスを体現しているようなもんなんですよ?矛盾を孕む存在なんですよ?凄くカッコイイじゃないですか」
「なるほど!よくわかった!」
「それはよかった」
「アサオが頗る馬鹿だって事がわかったよ!」
「馬鹿じゃありません。頭の中がお花畑なだけです」
「自覚あったんだね」