ウエスト

『アレ?クダリさん…、太った?』

「え!そんなことないよ!…多分」

『いやいや、そんなことありますよ!だって…、ほら!』

「うわ!」

『この抱き心地…、こないだ抱き着いた時より腰周りが…』

「気のせいだよ!」

「二人とも少々騒がしいですよ。もう少し静かにしてくださいまし」

『ノボリさんノボリさんクダリさんが太ったみたいです』

「なんと!」

「ぼく太ってない!ナナシ嘘はダメ!」

『嘘じゃありませんよ!ノボリさん、ちょっと失礼します』

「ひゃうん!」

『え?何その反応、可愛い。…じゃねぇや。うん、ノボリさんはこないだと変わりない。やっぱクダリさん太りましたね』

「なんでそうなるの!?」

『今まではノボリさんとクダリさんのウエスト一緒だったんですよ。でも今はクダリさんのほうが1.7センチ程…』

「細かいよ!なんでわかるの!?キモいよナナシ!」

『キモいは余計ですよ。ていうか褒めてくださいノボリさん』

「クダリ、しばらく間食は控えるようにしてください。それから運動もしっかりしましょう。ナナシ様、いい加減離してくださいまし」

『ノボリさんいい匂いスーハースーハー』

「やめてくださいまし!」

『いっそノボリさんの懐で窒息死したい。でもクダリさんのお腹に埋もれて窒息も憧れる』

「死んじゃダメだよ」

「ギアステーションで死人が出るなんて迷惑極まりない」

『心配しなくても私は死にませんよ。まだまだノボリさんとクダリさんの匂い嗅ぎたいですから』

「本当にやめてくださいまし」

「さすがのぼくもドン引き」