<小動物を愛で隊/三成>
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「じゃーん!見て見て三成!」
「…捨ててこい」
(ありゃ、不評)
私は胸の中の子狐を一撫でして、縁側に立つ三成の頬をつついた。
「っ捨ててこい…馬鹿女!」
「いひゃいいひゃい」
逆に頬を抓られるという反撃にあった。この容赦ない感じがまさに三成だよなあ、と涙まじりに思いつつ子狐を三成に差し出した。
「灰色って珍しいよね!」
知らんと呟く三成だけど、目線はチラチラ狐にいっている。
「佐吉くーん?
狐さんですよー」
昔から三成の傍にいた私の記憶をナメるな!昔は動物好きだったの、覚えてるんだ!
にやりと笑って三成にさらに狐を近づけた私を、痛めつけたのは意外にも三成ではなく。
「いたたたたた!」
「つくづく馬鹿だな貴様は
煩わしい…斬滅されたいか」
サラッといつもの毒舌を忘れず、三成は私の手にかじりつく狐ちゃんを片手で持ち上げた。
急に狐ちゃんはおとなしくなり、三成は勝ち誇ったように笑う。あ、むかつくこいつ。
「よし、狐ちゃんの名前は三吉ね
三成の三と、刑部の吉!」
「…」
…聞いちゃいねえ!
そんな、三吉との戯れに一生懸命になっている三成の頬を引っ張ったら危うく斬られそうになった。
(2人とも何してるんだい?)
(半兵衛様っ…こ、これは!)
(三吉と戯れ中です!)
*
三成に小動物と戯れてほしかったのです
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