<やけに顔が熱い/三成/学パロ>


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ドラマの演出の如く桜がヒラヒラと散っていた。
3年間の高校生活の終わりを祝福するかのように、花びらは花ふぶきとなって落ちて、舞う。


「誰が最初に第二ボタンなんて貰ったんだろうね」

卒業証書と花を抱えて、太い桜の木に背中と体重を預けながら。
私は隣で無言を貫く三成にそんなことを聞いた。

「知らん」

予想通りの答え。
くだらない、とか思ってるだろうなあ。
それか興味ない、秀吉様、どれかだかなと彼の頭のなかを私なりに予想していると、不意に三成がこちらを見た。
いつもの鋭い視線は桜の花ふぶきによって柔和になっている気がする。あくまで気だ。

「貴様は、第二ボタンが欲しいのか」

開いた口が、数秒間だけ塞がらずについフリーズしてしまう。ま、まさかあの三成がこんな話題を自分から振るなんて、明日は大谷さんお得意の手品の数珠が降るかもしれない!

「女の子は、みんな、好きな人のは欲しいんじゃないのかな…?」

あはー、と笑い混じりに答えれば、ガン!と耳元ですごい暴音がした。
そーっと首を傾ければ、私の寄り掛かっていた桜の木に三成の白い手がのめり込み、煙が上がっている。え、ちょ、これ死ぬからね?

「苺…私は貴様が誰のボタンを欲しがっているかを聞いている…!」
「へ、あ?そういう意味なの!?
ていうか怖い近い!」

三成は絶賛、木と自分の間に私を追い込んでいる。答えないと解放してくれないかなー…。

「………三成の、です」

やはり鋭い眼光を放つ三成の金色の瞳から逃げるように下を向いて答えた。
フン、と鼻を1つ鳴らした三成は自分の第二ボタンを乱暴に引きちぎって投げる。投げられたそれを受け取りながら、勝ち誇った表情の三成を見て何ともくやしい気分となった。


#やけに顔が熱い


title by Memory Girl様

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