<不思議なあのひと/三成>


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「三成!刑部っ…!
何でお前さん達がここにいる!?」

その日、官兵衛のもとではいつものように工事のような作業やら何やら騒がしく行われていた。

その穴ぐらにいきなり、兵も何も引き連れていない三成、そして大谷が登場した。突然のことに当然、官兵衛はうろたえ威嚇する。

「貴様などに用はない!
苺はどこだ?!」
「なっ…!」

相変わらず高圧的な三成は、刀の切っ先を官兵衛の鼻先に突き付けて唸るように言った。

「苺が何をしたんだ!?」

苺、というのは官兵衛の部下であり黒田軍の紅一点で、癒し。
さらに腕もたつ可愛らしい少女のことだ。
その大切な苺が何か三成に危害を加えたのか、いやそれはないだろう!など考えながら官兵衛は脂汗が滲んだ手を手首から下ですり合わせた。

「苺には、私の正室になってもらう!」
「何故じゃああああっ!」


*
「官兵衛さんを虐めて楽しいかー!」
「苺さんは官兵衛さんの、黒田軍の女神だ!」
「苺さんさえ官兵衛さんから奪うなんて、あまりにも非道だ!」
「ふざけるな!」

「黙れ!」

その要求はあまりにも大きかったらしく、黒田軍全員が不平を述べ出す。三成はめげずに刀を構え、大谷は愉快そうにヒッヒッと引き笑い。
官兵衛もこればかりは奪われるわけにはいかない。鉄球を構え、三成と向き合った。その刹那。

「無礼者があああああ!」

風のように素早く軽く、小さな少女が地面に降り立った。
そして背筋を伸ばし、刀を構えながら官兵衛の前に立ち塞がった。

「苺、ま、待て!落ち着け!
相手は三成だ!」
「官兵衛様に刀を向けるなど何事…って、え?
あーっ!石田さんに大谷さんじゃないですか!」

相手を認識した途端、苺は殺気を0にして2人に微笑みかけた。その変貌ようといったら、開いた口が塞がらないレベルだ。


「…苺っ…」
「はい、なんでしょう?」

にこにこと、今日も変わらず可憐な笑顔を見せる苺。そんな本人を前にして三成は言葉を詰まらせ、顔を赤く染めていく。(その様子は官兵衛からしたら鳥肌ものらしい)

「あれ、石田さん顔赤いです
大丈夫ですか?」
「っ!」

三成の異変を調子が悪いと捕らえた苺は、ぎりぎりまで背伸びをして彼の前髪を手でかきあげた。

「わあ、石田さん前髪上げるとかっこいい!印象変わりますねー」
「っ…おい、」
「あ、でも普段もかっこいいですよ?」

さらに赤くなる三成と天然パワーを発揮しまくる苺に、大谷は笑いすぎて呼吸困難だ。

「えへへ、石田さん顔ちっちゃくて羨ましいな」

苺の手が頬に触れる度、そこに熱が集まる。耐えられなくなった三成は、とうとう身を翻した。

「わっ!」

反動で弾きとばされた苺に、三成は後ろを向いたまま、また来る!と叫び走り去った。苺は不思議そうに笑いながら、その後ろ姿を見送るのだった。



#不思議なあのひと
(お前さん、三成が怖くないのか?)
(怖くはないですよー)

*

個人的に設定気に入ってます、えへ←

クロカン→←ヒロイン←←←三成
みたいなのが我得
クロカンとヒロインちゃんの関係はあくまでlike
また同じようなのかきたい

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