<徳川さんちの/家康>


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「おはよう苺!
今日こそワシと苺の熱い絆を結ぼう!」
「おはようございます権現様
よく聞こえませんでした!」
「やはり苺の笑顔には癒されるな!さあ熱い絆を…!」
「まだ言いますか!結びませんよ!」

しつこい。
私の仕える城主、権現様こと家康様は良い意味でも悪い意味でもしつこい。しつこいと表現するのは何か違うかもしれないけれど。

「苺は照れ屋だなあ」

…うん。毎日ここにいると、何かこの人が天下を納めていいのか心配になってくる。

「別に照れてないですから…!
それより権現様、執務を…」
「うんうん、今日も小さくて可愛いぞ!」
「いや、人の話を聞きましょう?!」

にこにこと、たくさんの人に太陽と称された明るい表情の権現様はわしわし私の頭の撫でる。
大きな手はいつも、硬くて温かい。


「…権現様の手って、権現様の性格そのものみたいですよね」
「ワシの性格?」
「はい
大きくて広くて、温かくて硬いです」

まさに権現様!
そう言うと彼は自分の手をじいっと眺めはじめる。そしてぎゅっと強く拳を握り、微笑む。


「なら、苺の手は苺そのものだな」
「ぎゃっ!」

そう言った権現様は前触れもなく私の手を掴んだ。

「小さくて白くて、柔らかい!
苺そのものだろ?」
「えー、そうですか?」
「そうだ!」

今度はガバッと抱きしめられ、動けなくなる。苦しいけど、権現様がすごく嬉しそうだから、大人しくしていることにした。

「苺、だからワシともっと熱い夜の絆を…!」
「忠勝様ー!ちょっと一発お願いしますー!」

前言撤回。
権現様が悪いよね、今のは!


#徳川さんちの権現様
(まず執務してください
すごい溜まってますよ)
(絆の力でどうにかなる!)

*
初家康がコレ…!なんかすみません!
リア友に捧げました

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