<未来に幸福を/三成/現パロ>


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※いくつか上のお話、
vicious circle(三成)の設定前提
読まなくても、大丈夫、かも
転生ネタです


何故か、周りは死体だらけ。
私も周りも血だらけで、私の手には刀。しかしそれは目の前の敵によって弾き飛ばされた。

「っあ…!」
「私が怖いか」

刀を構える敵の男を、私は睨む。そしてそれに顔を歪めた男。

「苺、何故秀吉様を…豊臣を…私を裏切った!?」

男の金色の瞳には、赤みがかった憎悪、憎悪。…悲しみ。

「私は…」
「何故私を拒む!?家康を頼る?!答えろ!!」
「みつ…」
「暴力でも貴様を縛れないなら、私はどうしたらいいんだ!」

みつなりさま、私の口からそう弱々しい言葉が漏れた。目の前の敵の人、みつなりさま、がなぜだかすごく愛しくて悲しい。何でだろう、私が思い出す前に、私の体は斬られた。


「苺、苺しっかりしろ」
「やっ…」

ぱしり、目を開け意識も戻ってきた時、手にひりひりと微かな痛みが走った。目の前にはひどく驚愕している、三成がいた。みつなり、みつなり。頭が痛い。さっきまで見ていた夢がもう思い出せない。

「あ、ごめん…手叩いちゃって」
「…構わない
それより大丈夫か」

三成の白くて冷たい手が私の額に触れた。いつもなら私は喜んだだろう。しかし何故か、私は逃げるように腰を引いてしまった。ガンと背中が冷たい柵のようなものに当たる。ここは保健室のベッドだったみたいだ。

「苺…?」
「や、ごめんなさい…殺さないで、裏切ってなんかいません…」

体が熱くて堪らなかった。涙が止まらなかった。頭と体と心がばらばら。何より辛そうな三成の表情が胸にしみる。なにこれ、なに、これ。

「みつな…」

私の、勝手に震える体を、三成が無理矢理抱きしめた。痛いよ三成。もっと優しくしてよ。そう笑いたいのに、私の体は震えて三成を拒む。

「殺さないで…!いえやす、いえやっ…」

何で家康くんが出てくるのか、自分が分からない。頭が、頭がいたい。あたま、いたい。三成が、すまない、すまないって謝ってる。何で謝るのか、分からない。わからない。わからない。

「みつなりさま…」


*
「三成…」
「落ち着いたか」
「ん…」

あれから何十分、何時間たったのか分からない。私も、三成もずっと泣いていた。

「三成、ごめんね」
「何がだ」
「何でもだよ
ごめんね、大好き」

あの夢は、まさしく三成と私何だろう。それがいつの時代とか、前世なのか、もうよく分からないけど。

「私から離れるな、苺」
「ん…」

泣きそうだ。幸せだ。
私は三成の細くてかたい体をしっかり抱きしめて、安心する匂いに顔をうめた。


*
自分でもよーわからん
曖昧です雰囲気を味わっていただければ

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