<これも全部家康のせい/豊臣軍>
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*徳川豊臣傘下時代
「ただかつー!」
ある夏の日。
共に戦場を駆ける友人に挨拶の抱擁をしたら。
「あっつあぁあああああ!」
火傷しました。
*
「苺!」
「どうした!?」
遠くから戦友である三成と家康が走って来るのを声で感じ取った私は、地面に転がりながら2人に助けを求めた。ぎゅいーん、と心配そうに忠勝がこちらを見ている。
「ただかつ…かわいい…」
「苺、何があった」
私の側に膝をついた三成が、首から鎖骨のあたりを触って目を見開いたのが見えた。怪我に驚いているみたいだ。うん、そりゃそうですよね!
そして首を触られた瞬間、とてつもない痛みに襲われ情けない声が漏れた。
「まさか苺、忠勝に抱き着いたのか…!?」
「家康…その通り
よく分かったね…」
「儂も暑い日、裸足で忠勝に乗ったら大火傷をした」
「それは家康が馬鹿なんだよ」
「家康…」
そんな馬鹿みたいな会話をするなか、今まで黙っていた三成が突然刀を抜いて怒りだした。ちょ、怖い。
「貴様ァ!
苺に…秀吉様の宝に傷を…」
ゆらゆらと、忠勝の隣に立つ家康に迫る三成。何故家康に怒るのか、まあ理由はいらつくからなんだろう。つか勝負挑むくらいなら助けて。
「4人とも、騒がしいけどどうしたんだい?」
「秀吉様、はんべ様!(助かった!)」
「秀吉様!半兵衛様!
家康を斬滅する許可を!」
「落ち着くのだ、三成」
「苺っこの怪我、何があったんだい!?」
「ただかつにぎゅーってしたら、じゅーっと焼けました」
「苺が怪我だと…」
三成を宥めていた秀吉様が、ゆらりと忠勝と家康に近づく。その迫力は三成以上、流石だ。おぉ、と感激していれば半兵衛様がくすりと笑いながら私を横抱きにする。
「ははははは半兵衛様、何を!?」
「怪我の手当てをしなきゃね」
「あああ歩けます…!」
主になんてことをさせてしまってるんだ、情けない。少し拒んでも、半兵衛様はどうも降ろしてくれそうにない。(三成がちょっと羨ましそうに見てたのは忘れよう)
申し訳ありません、私はご好意に甘えさせていただくことにした。
半兵衛様が部屋に向かう度に、秀吉様達が見えなくなる。
「ただかつは、悪くないんです」
秀吉様に殺されちゃったらどうしよう。小さく呟いたはずが聞こえていたらしい半兵衛様は、私に大丈夫だと一言。
「秀吉も三成君も多分、家康君が標的だから」
(忠勝に悪意はない…っわ、儂!?)
(あやつは豊臣の宝だ、許さん)
(秀吉様…今日もご立派…!)
*
いっつgdgd
三成の基準はあくまで秀吉様
ヒロインちゃんは豊臣の紅一点
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