<もうやだこの軍/小早川>


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鍋は確かに美味しい。
はい、それは認めますが。

「戦中に食うな馬鹿金吾様アアア!」

私が振り回した槍が敵と背後の鍋を薙ぎ払うと、鍋を食していた馬鹿な大将がああっと情けない声を漏らした。
鍋が揺れて中の汁がもれたとか、超どうでもいいね!

「ひどいよ苺!僕の楽しみを!」
「戦中に楽しむな!」

大将の首をとろうとばかりに押してくる敵兵を一旦全て地に伏せた。これで陣地を取り返せる。
一息ついて背後を見ると、復活したかまど番によってつけられた火で再び鍋を食す大将。

「火を消せかまど番んんん!」
「え!?あ、しかし…!」
「そしたら私が降りてきた金吾様を殺すから!」
「落ち着きなさい、苺」

するり、突然尻を滑った手に悲鳴をあげて私は反射的にひっぱたいた。振り向くと、ああ。変態か。この破廉恥な行為も慣れたもんだ。

「ねえ天海、私、石田軍に行こうと思います」
「おや、またそれは何故」
「駄目駄目ーっ!苺、僕を裏切るの!?」

懲りなく尻を触る天海に頭を抱える私の目の前に、内股(気持ち悪い)で現れたのは金吾様。

「だって大将は鍋好きなただの食いしん坊の役立たずだし、変態で変人な僧はいるし…
石田軍はいいところって、大谷さんに聞きました」

私の脳裏には、数日前戦場で会った大谷さんが思い浮かぶ。
強いとか嫁にしたいとか言ってくれたし!

「苺は三成君にぶたれたことないから言えるんだよ!大谷さんは平気で嘘つくし!
それに僕、苺が居なくなったら生きていけない!」

…うん、物理的にね。


(畜生うう家出してやるうう!)
(やい三成、不幸な娘が一匹釣れた)

*
小早川氏が可愛い
そしてじゅんじゅんボイスたぎります

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