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「お話って何ですか、佐助さん?告白ですか?まさかの禁断愛ですか?」
「あはー、それ有り得ないから。俺様旦那に殺されちゃう!
んーとね、突然なんだけど大将からのお仕事で真田の旦那は少しの間、大阪に居ることになったんだよ」
「幸村すわああああん!」
「あああ声でかい七海ちゃん!
だから一緒に行くでしょ、って」
「さすが佐助さん!お母さん愛してるよ!!」
「はいはい」

上田城もとい幸村さんと私の愛の巣(仮)に引っ越してから少しした平和なある日のことだ。
シュッと相変わらずの俊敏さで私のもとへやってきた佐助さんから告げられたのは、幸村さんの出張についてだった。

「上田城は小山田の旦那に任せて、俺様も大阪に行く。大将が七海ちゃんも連れていって良いってさ。
―ただ、名目はお見合いの候補。これが条件」

な、

「何でですかああ!!」

絶叫。まさに腹から声を張り上げた。我ながら今世紀最大の感情表現だった。

「好きだから着いてきました、って言い訳ができる相手じゃないんだよ。豊臣は」

豊臣…。
口の中でその名前をぼんやりと反芻させて、ふと気づく。
豊臣といえば、あの天下の武将…豊臣秀吉。豊臣秀吉といえば小学生の教科書にさえ乗っている偉人だ。

「ビ、ビバ戦国!すごいですね…」
「ま、見合いといっても試しに会うみたいな感じだから。よっぽど相手が七海ちゃんを気に入ることが無い限り、見合い本番になることはないよ」

つまり心配はない、と言いきった佐助さんをどついてやろうかと思う。超失礼極まりない。

「まあそういうことだから、旦那の妻とか幸村さん大好きとか言ったらダメ。べたべたするのもダメ」
「ええっ」
「七海ちゃんは見合い相手の候補、なんだから。変な事をしたら大将に迷惑がかかる。
今回ばかりは大人しくしててね」

グッと距離をつめた佐助さんにそう念を押され、私は微かな冷や汗を感じつつ生唾を飲み込みながらも頷く。
今回は責任重大だし、幸村さんといちゃつけないなんて命の危機だ。しばらく会えないよりは良いかもしれないけど。


「ちなみにお見合いの相手って、何てお名前なんですか?」

自分の、肉のついた両頬を強く叩き、気合い十分で私は身を乗り出して尋ねた。
ぐうっと近づいた顔に一瞬たじろいだが、佐助さんは動じることなく私の鼻を摘んで笑う。

「候補は2人。石田三成、徳川家康。
七海ちゃんは、主にこの2人と接触することになる」

…馬鹿野郎。
超偉人じゃないですか。

蓄えた気合いと覚悟が、くじけそうです。

(これでついでに旦那と七海ちゃんの距離が縮まれば一石二鳥なんだけどなあ)


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映画記念に関ヶ原組と絡ませよう作戦。安定の幸村いないパターンに全力ですいません!




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