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誰でもいいから、助けて欲しい。
私桐生七海、切実にヘルプミーでございます。

「開かないだとう…!」

事の起こりは数十分前だ。


*
「七海ちゃーん、手空いてる?」
「いいえ!幸村さんを見つめる仕事があるので!」
「はい、暇ね。道場の近くの離れから荷車持ってきて」

最近私達は、幸村さんのお引越の準備で大忙しだ。
幸村さんを始めとした皆さんは、佐助さんが半紙に書いた、“上田城に運ぶ物”のリストを見ながら荷物を用意しようと走り回っている。
私というと、縁側から幸村さんを凝視するという大変重要な仕事をしていた。なのにオカン(佐助さんめ…!)に仕事を命じられてしまった。

「道場…道場」

すっかり住み慣れたこの敷地内で、私はよく幸村さんを迎えに行く道場へと向かった。
近づくうちに、城とは違う道場独特の匂いが鼻を刺激する。いい匂いではないけど何か好き、という類のあるよね。油性ペン的な。

そんなくだらないことを考えていた私は、道場の近くの離れ家を発見。オカンに言われた荷車を取り出そうと駆け寄った。


暖簾のようなものが掛けられただけの、暗いそこは外より更に寒く、天井が低い。
入り口付近には重そうな米俵や、箱のようなもの、石のようなものが低い天井ぎりぎりまで不安定に積み上げられていた。

「うわ、危ない…」

心なしか、ホラーチックだし。
早く出てしまおうと奥にある荷車へとダッシュした―刹那。

ゴゴゴ、ドカン。安直に例えるとそんな音。まるで地震のような音がして、離れ家自体が揺れた。

「っ」

これは、まさか。
既に半泣き状態で振り向けば、…皆さん、予想通りですよ。

米俵を始めとした重荷達が小さな入り口を塞いでいた。ちょ、待っ、ちびりそう。

「助けて………幸村さあああああん!」

此処は皆さんが動き回ってる場所からかなり離れているとわかりつつも、わたしは叫ばずにはいられなかった。


*
ちょっときります
短い…サーセン




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