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ふと気がつくと、私は馬に揺られていた。空は明るい。どうやらあれから酒に酔って寝ていたらしい。
政宗さんたちにお礼を言えなかったのをすぐに思い出し、あとで手紙を出そうと決めた。よし!……よ、し?

「うっぎゃあああっ!?」

私を馬に乗せてくれているのは、てっきり小山田さんかと思っていた。(定位置)
みんな茶色の布を羽織っているから最初は誰だか分からなかった。(とゆうか縮んだ小山田さんかと思った)
しかしよく見よう。
赤いハチマキ、赤い槍、そしてチラチラと見える細い……腰!

「七海殿!?
いかがいたした!?」
「うあ…!本当に幸村さん!」

まさか私を乗せていたのが幸村さんなんて、予想外にも程がある。そして実においしい展開だ。
ふと私は急に、少し体を動かした時何処か不自由な感じを覚えた。

「…ひも?」

私の腰からまわされた布の紐。それは幸村さんの腰にもまわされ、止められていた。

「こ、これは七海殿が落ちないように、皆で考えた方法にござる!決して某、破廉恥なことは…!」

何を勘違いしたのか、前を向いたままあわあわと慌てだす。分かってますよ?と言っても、何だかそわそわしている。心なしか顔も赤いし。

「真田の旦那ね、竜の旦那と久々にやり合ったばっかで高ぶってるんだよねー」
「さ、佐助さん?!
高ぶる、なんて破廉恥な…!」
「さ、佐助ェッ!破廉恥でござる!」
「いやいやお二人さん、人の話ちゃんと聞こうか?!」

どこからか現れた佐助さんが、馬に合わせて走りながら苦笑した。(足速い!)

「ま、いつもの七海ちゃん戻って良かったさ!
こればっかりは竜の旦那に感謝、か」
「改めて申し訳ござらぬっ…七海殿」

自然と馬が止まり、後ろの数人の兵の皆さん、そして佐助さんも立ち止まる。
前をむいたままの幸村さん。表情は見るまでもなく、シュンとしているだろう。
な、何か泣けるやないか……!

「佐助さっ…幸村さん…
私゙ごぞ…ずみません…!」

幸村さんの茶色の布が私の涙で濡れる。慌てて手でそれを拭いていた私に、小山田さんが布を差し出してくれた。マジ紳士です、小山田殿。

そして佐助さんが頭を撫でてくれて、馬はまた走り出した。


*
七海ちゃんのトリップ日記

今日学んだこと
・成実さんはノリがいい
・政宗さんは案外いい男
・佐助さんはお母さん
・小山田さんマジ紳士
・幸村さんはやっぱ可愛い


幸村さんが、やっぱり好き


*
個人的に長かったお見合い編
どうでしたかね…
幸村とヒロインちゃんに成長してほしかったのですが、微妙ですね…(泣)
まあ、ともかく!お見合い編終了!




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