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頭が、ぽわぽわする。よく分からんけど前が見えないよジョニー!(ジョニーて誰だ…)

「政宗…さん」

多分私の前にいるのは政宗さんだ。てゆうかこの状況と体勢やばくね?処女喪失の危機じゃね?あれ、自意識過剰?


「七海…」

チラリと政宗さんの顔を見る。目がぎらぎらした獣のようで、顔は若干赤かった。酔ってるよこの人!

ぎり、と掴まれた手首の痛みに意識が覚醒していく。それに比例するように募る焦り。
頑張って振りほどこうとしても、女と男の間にはやはり越えられない壁。ましてや相手は武将さんだから敵うはずない。

(あれ、これ私が悪い…!?
私が誘ったのか!?)

とりあえず酔っていた自分を殴りたい。
不意に、政宗さんに首筋を噛まれてぞわっと鳥肌がたつ。やばいよ、助けて、助けて

「幸村さっ…」
「たのもおおおおおおおっ!」


轟音、地響き。

「武田軍、真田源二郎幸村!
男として七海殿を迎えに参ったああああ!」

間違いなく、あの人の声だった。
私が呆然としていると、政宗さんがにやりと笑いながら私の上からどいた。

「やっと来たか、真田幸村」
「え…、あの、政宗さん…?」
「早く行きな
Princeはhoneyをご指名だぜ?」

政宗さんの言葉に、私もつい笑った。

「…政宗さん、今超かっこいいです」


*

「幸村さん!」

走って、間取りの分からない城から飛び出した私は門番さんと何か話している幸村さんを見つけた。
後ろには何人かの兵の皆さんに、佐助さん。


「七海殿!」

私を見つけた幸村さんは目をきらきらさせて(妄想じゃないよ!)駆け寄ってきた。

「幸村さん、どうしてここに…?」

うれしいのだけど、それだけがよく分からなかった。
私に尋ねられた幸村さんはハッと目を開いて、突然私の肩を掴んでゆさゆさと揺さぶった。

「七海殿!痛む所は!?
政宗殿に食われておらぬか?!」
「俺は何もしてねぇよ」

幸村さんが俯いた時。着流しのまま門まで歩いてきた政宗さんが、相変わらず笑みを浮かべながら言った。
てか食われるって…、え?何それ怖い。

「政宗殿…
この幸村、七海殿を迎えに参った次第!」
「ああ、分かってる」

政宗さんは幸村さんの前まで歩みより、近くに立っていた私の肩に腕を回した。おおうっと私の視界はゆらゆら。そういえば、まだお酒が入ってるからかもしれないと、政宗さんの硬い腕に抱き留められながら考えていた。


「真田幸村、よく聞け
七海は今日から俺の嫁だ」
「なっ…?!なりませぬ!!」
「アンタ、見合い受けたんだろ?
七海は側室にってか?」
「見合いは取りやめになったゆえ…!某は…、某は!」


「あんまり幸村さんを虐めないでください、政宗さん」

さっきかっこよかったのが台なしです、そう付け足すと政宗さんは渋々といった表情で私を解放した。
うろたえて焦って悩んで赤面して泣きそうになる幸村さんはすごくおいしかったけれど、さすがに可哀相だ。

「幸村さん」
「七海…殿」
「うりゃっ!」

がばり。
久しぶりだ、幸村さんに抱き着くの。やっぱこの匂い、この体ですね分かります。

「私、幸村さんが好きです
一番好きです
ちなみに幸村さんの純粋は私のものです
お嫁の座も譲りません」

「HA!それでこそhoneyだぜ」
「…七海殿、
っうお?!」
「旦那?七海ちゃん?どうしたの?」


「…寝てるで…ござる」



(お酒が抜けませんです)

*
お見合い編長かったですよ…!




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