- あれから3日後、政宗さんはガチで馬飛ばして迎えに来た。3日でこんな展開なんて早過ぎるとか言ったら泣きます。作者的な都合で。 「Hey、七海!」 「わあダテムネさんお久しぶりさあ早く行きましょうさあ早く!」 「何をそんな慌ててんだよ?」 「いいから早く!」 よく考えたら私はあらゆる意味で政宗さんを利用することになる。不思議そうな政宗さんを見てさすがに胸が痛んだ。 「ごめんなさい、政宗さん」 私が乗らせてもらうのは政宗さんの馬。政宗さんの腰にぎゅっとしがみついて呟けば、政宗さんが何がだ?と首を傾げる。 城からでる私の後ろには、神妙な面持ちの幸村さん。幸村さんが何故そんな表情していたのか。 私の後ろ姿を見たからか、それとも私達とすれ違いに入った、いかにもお姫様な女の人を見てそうしたのか。 2日も彼と話していない私には分からなかった。 * 「ちょ、ちょ、ちょ政宗さああああん?!」 「Ah?うるせえな」 「いや、手綱持ちましょうよ!」 「そんなもん必要ねえし、こっちのがcoolだろ?」 「coolじゃないし、そういう問題じゃない!ああもう!」 「それにhoneyがこんなにしがみついてくれんだから、良いじゃねえか」 「…!」 何だ、不覚にもときめいたぞ。 脳裏にちらつく幸村さんの笑顔(マ、マジ天使ィ!)を振り払い、私はまた政宗さんにしがみつき直した。 * 「あーあ…行っちゃったね、七海ちゃん」 「…うむ」 幸村が珍しく険しい表情で俯いているのを見て、佐助は頭をかきながら苦笑する。 「竜の旦那に、七海ちゃんをとられるのは嫌だ?」 「七海殿は物ではない」 「じゃあ聞き方を変えるけど、七海ちゃんが竜の旦那の妻になったらどうする?」 ぎゅう、と力強く自身によって握られた幸村の拳が白くなっていく。 「俺は……」 「姫様!竹姫様!お待ちくだされ!」 手に血でも滲むんじゃないかという位、拳が締め付けられていた時。2人の会話を遮るように誰かがこちらへ走ってきた。 「お初にお目にかかります、幸村様 私、大谷吉継が娘…竹林院と申します」 長い髪をなびかせ、綺麗に笑う彼女はそう名乗った。 「政宗さん腰がクラッシュしますあああああああああ」 「それじゃ今夜持たねえぜ?」 「え、何する気ですかうああああ速いいいいいい」 * 竹林院こと竹姫様は史実で幸村の正室になった方です 私は社会は苦手なんで大雑把にかきます、多分変なとこありますすみません |