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「…しっかりするでござる!」

なぜか気づいたら何処かに飛ばされていたあの日。
頭を打っていたみたいで、ずきずきと頭痛に襲われていて。

「今城の者を…!」

ただ、赤い鮮やかな人が私を抱き上げたのが分かった。

この時に、すでに私は好きになっていたのかもしれない。


なんて、てへっ!
(痛いのは重々承知!)

*

「朝…」

むくり、起きたと同時にに布団が落ちる。なんだ、夢か。
近くにあった圏外の携帯を引き寄せて開くと、時間は朝6時。
こちらの世界に来てからも大体この時間に起床している。

詳しいことはわからないけれど、私はどうやら戦国時代ってのにトリップしたみたいだ。気づいたらこのお城にいて、庭に落ちて脳震盪起こしてたのを幸村さんが助けてくれたらしい。(ここで一目惚れした)

又かの有名な武田信玄様のご好意をいただいて私は今生活できている。
信玄様は、幸村の話相手にでもなってくれ、と。
見ず知らずの私を受け入れてくれるなんて超いい人!


「うへへ…」

携帯の待ち受けにされているのは幸村さん。
そう、私は見ず知らずの女を助けてくれた幸村さんに惚れちゃいました。
かっこいいし、熱いし、何より優しい、という感じ。

だがしかし、彼は戦国時代一の純情青年だった。この一週間の経験も、それを物語っている。

手が触れれば真っ赤。
顔が近づけば叫んで。
太もも見ると鼻血を出す。

私のセーラー服姿を見た時も、破廉恥やらはしたないやら散々叫んでたし。



「…そんな純情さんいてたまるかごるぁ!!好きだけど!!ラブ!」
「朝から元気だね
七海ちゃん」
「あ、佐助さん」

おはようございます、と襖から顔を覗かせた佐助さんに頭を下げた。佐助さんは本当に忍者なのかってくらいノリの軽い人だと最近判明。そのせいもあって話しやすいのだけれど。

「純情さんって俺様のこと?」
「何馬鹿なことを!
愛しの幸村さんですよ!」
「七海ちゃんって何気に毒舌だよね」

ここに住むことになったはいいが、仕事もしなくていいなんて強く言われてしまい、手伝おうとしても皆に断られる。


「だからね佐助さん」
「いきなり話振るね」
「私は何か幸村さ…いや、武田軍様に貢献したいんですよ」
「成る程」
「そこで私は!」

幸村さんのお世話をしたいと思います!



(…七海ちゃん、旦那おそわないでやってね)

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変態覚醒




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