- 「とりっくおあとりーと! お菓子くれないと悪戯しますよっ☆(性的な意味で)」 「とり…?」 「はいはい七海ちゃーん 何言ってるかさっぱりだけど、とりあえず旦那に触らないでねー」 「なっ佐助さん…!」 こんにちは皆様、甲斐は今日も平和です!(…いいのかな?) べりべり、久しぶりに幸村さんにくっついていた私は佐助さんに引きはがされた。チッ…私のハロウィンに便乗して幸村さんに悪戯しちゃおう計画その1が…! 「あ、てゆうか皆さんハロウィン知りませんよね」 いまさらながら、佐助さんと幸村さんの反応に納得。頷く2人に、説明をすることにした。 「ハロウィンってのは南蛮のお祭りで、仮装して“お菓子くれなきゃ悪戯するぞーっ”て皆に言いまくる日なんです」 「なんと!」 幸村さんが目を輝かせている。お菓子、に反応して口元からは涎。 「へえ…七海ちゃんのいた所にはそんなものがあったのか」 「はい!外国では結構大々的にやるところもあってですね!みんな色んな服着るんですよ!私も今日はセーラー装備です」 こっちにいると着物ばかりで、洋服の感覚が薄れちゃうからたまにはね! それはそうと、説明の続きだ! 「んで、ハロウィンの合言葉といえば“トリックオアトリート”です!これさえいえれば、お菓子もらえますよ」 あ、幸村さんすごい食いついてる。超可愛い! 「七海殿! と、とりっくおーとりとでござる!」 「じゃあ俺様もー “とりっくおあとりーと”」 「…っ!!」 (幸村さんの…噛み噛みぐあい可愛い…!) 今なら何でもできる気さえしました。本当可愛い。 そして佐助さんは何故完璧に言えてるのか。さすがオカン、侮れん。 「ふふ…私はきちんと用意してます!じゃん!幸村さんの好きなおだんごです!」 「七海殿ぁああああああっ!」 幸村さんは完全にお食事モード。尻尾があったら多分ちぎれんばかりに振ってると思う。 「へへ…しかしただじゃあ、あげられません トリックオアトリート、幸村さん?お菓子くれなきゃ悪戯します!」 きょとんとした後、はっと慌てだした幸村さん。これはもってないと見た! そのタイミングで私はうっかりを装い、団子の皿を持っていない左手で幸村さんを思い切り押し倒した。(佐助さんが冷ややかな目で私を見てた) ちなみに場所は庭で、下は草だから大丈夫だぜ皆さん! 「っ七海殿、何を…!」 お腹に跨がった私に、幸村さんは激しく狼狽。真っ赤で超可愛いのは言わずもがな分かると思います! 「お菓子くれないから悪戯です」 団子を側に置いて、戦闘体制。 今日の私は攻め攻めでいきます!キスしちゃうって決めた!今!こういうのは普通男がやるんだけど仕方ない! 「幸村さん…目を閉じてください!」 「七海殿…?顔が赤…」 「目を閉じてくださいでござる!!」 「う、うむ!」 やばい、緊張する。私も目つぶろう!七海、恋はど根性だから!押してなんぼ!よし、いくぞ! 「はい、そこまでー」 ガシリと首根っこを掴まれて浮いた私の体。犯人はもちろん佐助さん。 「何するんですか佐助さんっ さっきまで空気だった腹いせですか!?」 「いたたたた髪抜ける! ほら、旦那の顔よく見て!」 「え?」 私は言われるがまま幸村さんの方を見た。…あれ、気絶してる。 「多分あの体勢に入った時点で意識飛びかけてたよ、旦那は 残念残念、七海ちゃん」 私を下ろして肩に手を置いた佐助さん。あ、何か…。 「むかつくぁあああああ!」 「何で俺様?!」 乙女にはもっと努力が必要らしいです、まる。 #ハッピーハロウィン! * 実に個人的に楽しくかかせてもらいました!笑 |