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はらはら、中庭の木から真っ赤な葉がたくさん散っていた。私はそれを1枚拾い上げて縁側に座ると、よーく見てみる。
(こんな綺麗に赤い葉っぱ、もとの世界じゃ見たことないかも)

ともかく、もう秋ですよ皆様。
熱が下がってからの何週間か、私は普段通り平和に過ごしてました。幸村さんの可愛さ?ご心配なく、相変わらずプライスレスです。お金で買えない価値があります。


「平和っていいねえ…」

外ではちょくちょく戦はあるみたいだけど、私はあまり城から出ないので分からない。武田軍はいつもピンピン元気なので、私も安心できるし嬉しい。

「いやしかし刺激が足りない…?
いやいや平和こそ宝…!そんなこと言っちゃ駄目だ私!」
「はいはーい、そんな七海ちゃんに朗報」
「ぎゃああああっ!」
「ぐはっ!」

バキリと鈍い音がした。やべ、佐助さん殴っちゃった。でもいきなり屋根からブラーンって現れるのはないよね!

「佐助さん、大丈夫ですか?」
「あはー、いい加減真田の旦那に言い付けてあげる」
「それは大変、その前に殴って黙らせないと!」
「七海ちゃん、日々たくましくなってるね…」

佐助さんは、いつもの挨拶的会話を終えると私の横に腰掛けた。

「で、朗報って何ですか?」
「そうそう、もうすぐ客が来るんだけど…」
「誰ですかっ!?」

期待を寄せる私とは正反対に、佐助さんは複雑な面持ちだ。怖い人、敵、様々な考えを脳内で広げながら返事を待っていると、返ってきたのは知らない名前だった。

「…毛利元就」
「…誰ですか?」
「鬼…あー、長曽我部の旦那と温泉行ったときに七海ちゃんのこと踏んだ人」

もわもわと蘇る、黒歴史、とゆうか悪夢。私の頭には憎たらしいあの顔がしっかり浮かんだ。

「あの黄緑オクラ野郎!」
「七海ちゃん声が大きい!」

来てたらどうすんの!とオカンが怒りながら私の口を塞ぐ。オクラ野郎が怖いとかじゃないから決していいのだけれど、幸村さんやお館様に迷惑がかかったら大変。
私は一言謝ってからボリュームを下げて質問を返した。

「オクラ野郎は何しにきたんですか?」
「んー、俺様的にそれがちょっと気になっててさ
毛利の旦那曰く、この前の戦で旦那が間違って壊した毛利軍の大鏡?について直接話し合いたい、ってことなんだけ、ど…」

(わざわざ奴さんが甲斐に出向くことはないし、毛利の旦那は出向くような奴じゃない
書で済ませるか、武田の使いを呼ぶはずだ)

「?何か変なんですか?」

(それがわざわざ出向いたってことは…他に目的があるはず)

「隊長!」

何やら考えこむ佐助さんのもとに、ヒュッと何かが着地した。
…確か、真田忍隊とやらの子だ。

「毛利には、特に怪しい動きや目的がある様子はありません」
「だよねー」

やっぱ何だかんだ戦国は大変なんだなあ、とそれを聞きながら私は紅葉を眺める。

「ですが…どうやら、武田軍に娘か正室か、とりあえず若い女がいないか調べていたらしいです」
「…それ詳しく」
「確か、そう、そこの方にぴったり当て嵌まる特徴で探していたと…」

いきなり私のほうに視線がむいたので思わずビクッとしてしまった。

「七海ちゃん、今すぐ近くの押し入れとかに隠れて」
「え?」
「早く!毛利の旦那は七海ちゃんを探しにきてる!」
「は?」

うまく状況理解できないまま、私は近場の空室の押し入れに押し込まれた。
何となくわかったのは、オクラ野郎が私に仕返ししにきたことだった。


(なんて根に持つタイプなんだ…!)
(あの苦痛に歪む顔が忘れられぬ)

*
あ、れ、毛利様出てない…!←
この連載の毛利様は激しくキャラ崩壊+超ドSの予定ですすみません
キャラ設定更新しときます




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