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七海ちゃんのトリップ日記

愛しの未来の夫(言わずもがな幸村さん)にくっついて四国にいった私!
旅中は愛しの夫の助けがあって安全に過ごしたよ!四国のチカリンさんは良いアニキでした!
その後、私は帰ってきて熱を出してしまいまして…早2日たちました
幸村さんが心配しながらこちらを覗きこんでくれる(マジ天使)からずっと風邪でもいいかも…

「ちゃんと寝てなさいって言ったよね…七海ちゃん」
「ぎゃあぁっ佐助さん!?」

風邪ってゆうのはひまだ。まず寝かされて動けない。(オカン佐助とその部下がたまに見に来る)
抜け出そうと思ったけど、幸村さんが心配するからやらないことに決めた。

「乙女の日記を取り上げるなんて最低です!」
「いいから寝てなさい!ほらまた熱上がってるー」

佐助さんが布を濡らし直して私の額に乗せる。その冷たさと、佐助さんに髪を撫でられるに心地よさに私は目を閉じてみた。あ、本当に熱上がってるかも…だるいや。

「うう…幸村さん…」
「旦那に心配かけないように、早く良くならないと」
「ん…」

幸村さんのことを考えたら頬が緩んだ。へにゃ、ってアホみたいな顔してんだろうなあ私。

「七海ちゃんから元気と変態抜くと誰だかわかんないもんだねー」
「どうゆう意味ですか!」
「褒め言葉だよ
ほら、早く寝なさい!」
「うにゃっ」

少しばかり理不尽な佐助さんの手が私の視界を封じる。同時に何か鼻をつく香りがした。だんだん、視界が真っ暗になって眠くなっていく。佐助さん、絶対眠り薬嗅がせてる!
まあ私には拒む理由も体力もないので、素直に眠りにつくことにした。


*
「七海殿ォォォ!!」
「旦那、仮にも相手は病人だから!静かに!」
「っ!すまぬ!」

大きな音で目が覚めたと同時に、大好きな幸村さんの匂いがした。頭と同じく体も反応して、(我ながらすごい!)私は反射的に起き上がった。

「七海殿っ
無理せずに寝ていてくだされ!」
「幸村さんっ…!
会いたかった!」

私の脳内は某アキバ系アイドルグループの曲で満たされる。マジ会いたかったーイェイ!
布団から出て幸村さんに抱き着く。今日初めての幸村さん。もう外は真っ暗だった。

「調子はいかがでござるか?」
「今元気でました!」

幸村さんが心配そうな表情で私を抱きしめ返してくれた。(心配しつつ赤面なの可愛い)

「しかしまだ熱うござるな…
今、女中が夕餉と薬を持ってきますゆえ
それまで寝て…」
「幸村様、佐助様、七海様の夕餉を運んでまいりました」

ナイスタイミングで、女中の方が私の夕飯を持ってきてくれた。お粥か何かのようで、小さな鍋と苦そうな粉末がお盆に乗せられていた。

「ありがとうございます」

その女中さんはよくお喋りをする人で、私がお礼をいうと笑って頭を下げながら出ていった。
佐助さんが私の横にお盆を置いて、食べれる?と鍋の蓋を開けた。やっぱり中はお粥みたいだ。

「幸村さんにあーんして欲しいです」
「あーん、とは?」

首傾げる幸村さん可愛いすぎる。

「食べさせてほしいって意味ですです!幸村さん限定ですが」
「あはー七海ちゃん歪みないねー」
「この幸村、心得申した!」
「「え?」」

まさかの返事に私も佐助さんも豆鉄砲をくらった鳩の如くアホ面になった。

「七海殿、“あーん”でござる!」
「幸村さん…!とうとう私を嫁に迎える気になったんですね!」

視界が霞むくらい涙がでる、喜びで。満面の笑みで差し出されたレンゲ。そして私の口の中に熱いお粥が…

「〜っんんんん!」

(あっつうううあああああ!)

「ちょ、ちょ旦那!
それ冷ましてないでしょ!?」
「うむ!」
「うむ、じゃないから!七海ちゃん火傷させる気!?
ほら、水飲んで!」
「あがが…」

危うく幸村さんに火傷させられるところでした。私ヤンデレは嫌だよ!

「旦那、息吹き掛けて冷ましてからじゃなきゃ」
「そうか…申し訳ございませぬ、七海殿」
「幸村さんだから大丈夫です」

ふうふう、と幸村さんはお粥に息を吹き掛けてから私に差し出した。
これはつまり、幸村さんによって掬われた幸せな米達で、さらに神聖なる幸村さんの吐息によって冷まされたもので、幸村さんの手で私にむかって差し出されていて…!

「幸せ…」

ぱくり、と薄味のお粥を口に含む。超美味しい。幸せ。いまならしねる。

「七海ちゃんー鼻血出てますよー」
「大丈夫…幸せの鼻血ですから」

私は自分の鼻を濡らす赤い液を紙で拭い、また幸村さんに向き合う。幸村さんは食べさせるのが楽しくなってきたようで、目をきらっきらさせて私が口を開けるのを待っていた。


…まあ、なんだ。

「風邪、最高!」



*
私のなかでは、無邪気純粋に定評のある幸村さん




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