- 政宗さんは私に嵐を残していきました。最悪だ。なんだHoneyって気持ち悪い!あと良い体って何だ!見たのか! 「…」 「…」 私は中庭から動けないまま。 幸村さんといえば放心状態で、逃げたいけど明らか放置していける状態じゃない。 「幸村さーん」 声をかけるも、俯いてしまった。 そんな幸村さんが少し心配になって近づく。そして手を伸ばした瞬間、急に手首が圧迫された。 「幸村さん…?」 (つ、つつつ掴まれた!) 幸村さんに掴まれた手首に少しときめく、けど痛い。力強っ! 「俺はっ…! 前にも申したが、女子が苦手だ」 「は、い…」 「だが、何故か七海殿は違うのだ」 「違う?」 幸村さんが顔をあげたので、目を合わせると何故か顔が真っ赤。 「上手く、言えぬが… 政宗殿と七海殿が親しげにしていると、胸が痛いでござる」 それは、つまり。 幸村さん。 「そんなこと言うと、私調子にのりますよ?私、幸村さん大好きですから」 「っ!」 あたふたしながら幸村さんが私の手を離す。マジかわいいマジ天使! しばらく目を泳がせ、私の赤くなった手首を見てまた掴んだ。 「そ、某、つい…! 女子の体に傷をつけるなど…! 今手当て…を」 ぎゅう。 隙だらけの幸村さんの背中に抱き着いた。あったかくて、幸村さんの匂い。 何かもう政宗さんのこととか、どうでもいいかも。 「傷つけた責任ってことで、私をお嫁さんにしてくれると嬉しいんですけど」 ムードが大事だよね!てな訳で突撃逆プロポーズ! その直後ふらりと鼻血まじりに気絶してしまった幸村さんを見て、私は相変わらずだなあ、と笑った。 (これでも旦那、頑張った方だと思うよ) (佐助さん、いつからいたの!?) * 幸村は余裕がなくなると一人称が俺になるといいよ! - |