- 「はんべさんっ! 誕生日おめでとうございます!」 ひらりひらり、私の手からお手製の紙吹雪が散った。 はんべさんは状況がいまいち把握できないのか、きょとんと表情を固めている。 「何で僕の部屋に心がいるんだい?」 はんべさんはそう私に問い掛けながら自室の障子を静かに閉じる。私は、冒頭の通りです!とシンプルに説明。 「誕生日?」 「未来では生まれた日を盛大に祝うんですよ!」 大好きな人の誕生日、きちんと贈り物を準備した。といいたいところだけど、あいにく私は居候の身でお金がないからお花だ。 「改めて、おめでとうございます!」 「…ありがとう」 たくさんの胡蝶蘭。はんべさんは笑顔で受けとってくれたので良かった。 「今夜はハメを外して宴といたしましょう!私、夕餉頑張ったんです!秀吉さんと三成さんも…って、はんべさん?」 あったかい、安心する温もりに包まれた。はんべさんから抱きしめてくれるなんて珍しい。 「はんべさん、お花潰れちゃいますよ」 私の言葉に苦笑しながらお花を畳に置いてから、はんべさんはまた私を抱きしめた。こうされるのも、たまには悪くない。 「ありがとう、心」 あったかい、ずっとこうしていられたらどれだけ幸せか。 「永遠にお慕いしておりますよ、はんべさん!」 (永遠を、望んでみたくなった) * 9/11 はんべおめでとう! |