- #ヒロインは伊達妹 「心様!!」 「うっるさあああいっ」 奥州、青葉城。 夕餉を軍全員で楽しんでいるなか、1人の男と少女の言い争いが始まった。 しかしながら日常茶飯事。皆笑いながらそれを流している。 「少しはお食べくだされ!」 「やっ!」 「小十郎!そろそろ勘弁してやんな」 また政宗様は! 竜の右目、片倉小十郎は主をギッと見て叱るように吠えた。怒られていた少女は身軽に跳ねて政宗の背中へ。 この少女、竜の妹である。 野菜を嫌う少女の敵は、野菜好きな小十郎。 「いーっだ!こじゅの野菜馬鹿!」 「っ!心様あああ!」 逃げ回る少女を捕まえた小十郎が、強制的に茄子の漬物を口に放り込む形で今日の勝負はついた。 「こじゅは野菜鬼畜魔神だ…! 兄上えええ」 「全くだぜ、ほら泣くな心」 ギンギンと野菜鬼畜魔神からの視線を受けつつ、仲の良い兄妹は談笑を始める。それでも楽しそうな2人を見ると、小十郎も頬が緩んでしまう。 あぐらの上にすっぽり座った少女の髪を、政宗は優しく撫でた。 「よし、湯浴みでもするか」 「うんー!」 「てかさ、心もいい加減、梵離れしないとじゃない?」 横から笑いながら成実の言葉は、政宗の厳しい視線によって却下。 小十郎のため息を聞かぬふりをして、2人は笑いあった。 (心、今日もcuteだな) (兄上は“くーる”です!) * でれっでれな伊達さんがかきたかったのです 心ちゃんは14歳くらいのイメージでした^^ |