- 新宿高級マンション。 夜10時頃。 来客を告げる呼び鈴が鳴った。 「波江、誰だか見て」 「あなたの方が近いじゃない」 折原臨也の指示で、矢霧波江は仕方なく立ち上がり来客に対応する。そしてあら、と彼女にしては感情のこもった声をあげた。 「あなたの大好きな彼女よ」 *** 「いざやくーんっ!!」 「っと」 頭がふわふわした。 おさけ、のせいだ、多分。私にお酒進めたひとが悪い。 ふわふわしたら、臨也くんに会いたくなった。 会いに来て、抱き着いて、今になる。 「いざやくん」 「うわ、酒臭い」 「ん」 「制服で泥酔状態ってよく捕まらなかったね」 「いざやくんー」 捕まる?…あぁ、わたし、未成年だからか。よくわかんない。 とりあえず臨也くんにくっつきたい気分なのだ。 「いざやくん!」 「人を押し倒しといて何でそんな笑顔なの?名前、そんなキャラだっけ?」 「ちょっと、帰っていい?」 「波江?!待っ…!」 また波江さん! 私は臨也くんに乗ったまま腕にかぶりついた。私を叱る声がする。 「いざやくん、瞳、綺麗」 「…はあ、ありがとう」 「えい」 「痛っ!」 臨也くんの瞳に指を突っ込んだらまた怒られました。今日は怒りっぽいよ。 「えへへ、でも好きー」 「名前、お酒臭いよ」 臨也くんの細くてぺったんこなお腹は、温かくていい匂いがした。寝れば?という臨也くんの声を無視して、いつもの仕返しでいっぱいキスしたら、臨也くんは静かになった。 「…酔っても厄介だね」 「そんなことないもん。いざやくん、好き」 「知ってるよ」 #拍手感謝文でした 11/3/12〜11/5/7 |