- 「ちょっと寒いね」 隣にいたみーくんが、ぶるっと体を震わせて呟いた。もう11月、そして此処は屋上。少し肌寒いのも頷ける。私は自分が座布団にしていたフリースの毛布をひろげ、隣のみーくんの膝と自分の膝にかけた。 「こんなにくっついて座ってたら、浮気になっちゃうかな?」 「え…!?」 「杏里とみーくんと私の泥沼!楽しそう!」 「名前ちゃん…」 もう、と呆れ笑いするみーくん。彼をからかうのは楽しい。 今日は正臣も杏里もお休みだから2人でお昼タイムだ。 「それにしても、2人ともインフルエンザなんて大変だよね」 ぱく、とパンを食べながらみーくんが話を切り出した。 そう、杏里も正臣もインフルエンザで欠席らしいのだ。 「流行ってるのかな?」 「でも一番軟弱そうなみーくんがかかってないよ?」 「軟弱って… 僕、軟弱そうなのか…」 あー、みーくん面白可愛い。いちいち反応してくれるのが堪らない。 「名前ちゃんこそ、よくかからないよね」 「私はムキムキだし、予防注射してるからね!」 ふんっと力を入れた腕にはもちろん筋肉なんてないけど、みーくんは注射の話に納得していた。 「みーくんも、お見舞いいくなら注射したほうがいいよ」 「うーん…お金も時間もないんだよなあ」 しゅんとうなだれるみーくん。その時私は良い案を思い付いて、すぐに携帯を取り出した。メールを作成、送信。 「みーくんっ、これから注射してもらいに行こう!」 「ええっ!?」 「お金も安いし、私よく行ってるとこだし、テレビもお茶もあるから」 「ちょ、名前ちゃん!今から!?」 私はぐいぐいみーくんの手を引っ張り、学校を抜け出そうと生き生き歩きだした。 #わくちんよろしく! 「セルティー、新羅ー」 「ああ、名前」 『久しぶりだな!…あれ、帝人か?』 「セルティさん!」 * みーくんみかちゃん 呼び方無限大ぷまい |