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*若干卑猥で下品…?



夏休みといえば、ラブラブイベントが一番多いと思う。

バカンス!プール!海!お祭!花火!お泊り!


「っていうことで私は幸村先輩とハッスハスのラブラブイベントを果たす義務があるんです!」

バン!
私がテーブルを叩いた音と大声は空気を振動させ、近くにぶら下がっていた風鈴を僅かに鳴らした。
ちりん、という可愛い音は私を癒したが、それと今の状況は話が別である。


「なのに…佐助先輩と夏休みの宿題なんて…!」

そう、今の私の目の前には課題の山がある。何故夏休み初日から、と佐助先輩につかみかかったら、花ちゃんは31日焦るタイプだからと答えられた。…否定はしないよ!

「ちなみに旦那はもう半分終わってるから」
「うむ!」

今まで横でスイカと麦茶を流し込んでいた幸村先輩が、満足そうに微笑む。早いよ!まだ夏休み初日だよ!でも可愛いから良い!!可愛すぎて気絶しそう!

「さて、花ちゃんも頑張るよー」
「うぅ…」

早速、数学のプリントがテーブルに並んだ。難しい数式の羅列は見るだけで私の心をずたずたにする。

「そ、そうだー!!」
「なに?花ちゃん、煩いんだから」
「宿題、勉強といえばお仕置きでしょ!そういうプレイでしょ!」
「仕置き?ぷれい?」

呆れ顔の佐助先輩はともかく、首を傾げる幸村先輩の可愛いさに再び意識がはじけそうになった。


「…じゃあ、1問間違えるごとに旦那と花ちゃん、お互いからお仕置きね」

何を思ったのか、そんなことを宣った佐助先輩。自分で言った割にびっくりして返事が出来なくなってしまった。

「お、お、お仕置き…!?あわわ、佐助先輩、それはもちろん性的な意味っぶふう!!」
「1問間違えるごと、1回デコピンね」
「む…。某、女子を殴るのは…」
「これも花ちゃんの為」

佐助先輩に殴られたおでこを摩りながら、幸村先輩を見上げる。佐助先輩の一言にあっさり納得したのか、幸村先輩は了解致した!と元気に返事をした。


「ここは、この公式にあてはめる」
「ふんふん…」
「はいストップ。花ちゃん、間違ってる」
「な、なんだってー!?」
「よく見て。符号ミス」
「本当だ!」

数式相手ににらめっこ、頑張ってはみたが早速間違えてしまった。

「べ、別に幸村先輩にデコピンしてほしかったからじゃないんだからね!」
「…旦那ー、よろしく」
「う、む!」

佐助さんの呆れたような冷たい視線が少々痛い。そんな佐助さんの合図を機に、向かいに座っていた幸村先輩は、ぐっと身を乗り出してきた。

「で、では…失礼致す」

幸村先輩の構えたデコピン用の手につい、ひっと吐息が漏れた。
幸村先輩といえば可愛い顔して超怪力で有名だ。M属性のない私には残念ながら恐怖しか感じないのである。

「…っ!」

堪えろ!堪えるのよ花!
これも先輩からの愛の鞭…

「花殿…」

幸村先輩の聞き慣れた声が間近でする。それは少し震えている気がした。

ちりん、風鈴が再び風に揺られた時。

「あーっ!花ちゃん危ない!」

切羽詰まったような佐助先輩の言葉の意味を上手く理解する前に、生温い何かを鼻先にかけられた…気がする。

「…はっ!まさか昼からぶっかけですか!顔射でぶっふわあ!!」
「女の子がはしたない事言わない!旦那が覚えたらどうすんの!」
「あれ、鉄臭い?」

目を開けると、真っ赤になって倒れている幸村先輩とそれを支える佐助先輩。
私の額から伝うのは真っ赤な液体。同じものが、幸村先輩の鼻から垂れている。

「…鼻血」
「いやあ、デコピンに堪えようとする花ちゃんの表情がどことなくエロかったっていうか」
「さ、佐助ぇええぇっ!」

バッと飛び起きた幸村先輩は、私を一瞬見て、カッと目を見開いた。非常に忙しい人だ。(そこも可愛い)

「申し訳ござりませぬううっ、花殿!某の鼻血がっ!」
「痛い痛い!先輩分かりましたから落ち着いて!」

ごしごしと私の顔を自らのシャツで拭う幸村先輩。摩擦でちょっくら痛い。

「よーし、佐助先輩!やっぱり次は性的な意味のぶっかけでいきましょう!」
「あはー、花ちゃんはいっぺん頭冷やしてきた方が良いよ」

こうして私と幸村先輩(時々佐助先輩)のバカンスハッピー(仮)な夏は過ぎていくのである。



#これが私の夏である

Thank you for Toto sama!
リクエストありがとうございました!


刄潟Nエスト
学バサで幸村が先輩で!ヒロイン(?)は幸村連載のような性格でお願いしますw



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