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「もしもし」
「廉造廉造大好きだから今すぐ私の部屋に来て合宿やった所!!」
「菜子ちゃんから電話に呼び出しなんて、俺ほんまに嬉しいですわ」
「うん!大好き!だから早く!!」
「今行きますから待っといてください」

*

「廉造ー!!」
「菜子ちゃん…そな部屋着で…!あかん!目に毒や!!」
「そんな事はどうでもいいから!私の部屋!あれ!あれ部屋から出して!」
「“あれ”?
……っ!」
「廉造?何で固まってるの?」
「あれ……蝉…?」
「そう!蝉!アイドントライク!」
「菜子ちゃん…俺…」


*
「…星海、志摩。
人を呼び出しといて何抱き合っとんねんお前ら!」
「あばばば、す、勝呂、助け…あの、せ、蝉を部屋から出して…!」
「坊だけが頼りなんですよ…!」
「志摩!男がみっともないやろ!」

「ぎゃあああああ飛んだあああ!」
「お前は何発砲しとんねん!」
「坊…早くアレを…!」

「ったく…蝉ごときに…」
「うわああああ勝呂手づかみ!?
廉造!気を確かに!」
「ほら、今窓から飛んでったやろ。…星海、泣いとるんか!?」
「蝉とか本当無理なの!廉造爆発してよ!雪のメガネ割れろぉおお!」
「あばばばば菜子ちゃん揺らさんといて」

「星海、タオル使うか」
「勝呂さっき蝉触ったから遠慮しとく」
「…」
「坊、元気出してください」


2011/6/4



BLコンテスト・グランプリ作品
「見えない臓器の名前は」
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