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机でパンを食べているクラスメイトに向かって、私は勇気を出して声を掛けた。

「このクラスで空いてるのは図書委員だけということで、図書委員になりました高瀬菜友です!」
「門田京平だ。随分長い説明だな」
「そう、かな」

午前中、平和島君の教科書を見せてもらい授業を受けた後、今度は空いている委員会に入ることを進められた私は図書委員にお世話になることにした。
このクラスのもう一人の図書委員、門田君に挨拶を終えることができて一安心である。

「高瀬は本が好きなのか?」
「うん、大好き」
「珍しいな」

昼休み、当番の図書委員は図書室に居て貸し借りの管理をするんだ、と門田君はパンの袋を捨てながら説明してくれた。

「今日は俺らのクラスが当番だ。図書室、行くか?」
「うん、行きたいかも」

さらに案内すると言ってくれた門田君についていき、私は図書室に入った。

「あ、ドタチン。おはようー」
「…臨也。もうおはようじゃねえよ。あとその呼び方はやめろ」
「あれ、女の子付き?」
「転校生だ。お前、今日の朝は何してたんだ」
「ちょっとね!」

静寂に包まれた人のいない図書室の中で、男の子が一人。
窓際の机に座る黒髪のその人は、平和島君に負けず劣らず整った顔立ちをしている。


「初めまして、俺は折原臨也」

その人は机から降り、柔和な笑みを張り付けて私のほうへ手を差し出した。

(いざや……変わった名前)
「折原君…?」
「臨也の方でいい、高瀬菜友さん」
「臨也、なんでお前高瀬の名前知ってんだ」
「色々とあるんだよ」

意味ありげな臨也君の態度に、はあ、と門田君がため息をついた。
平和島君とは違う意味で不思議な人。というかこの人のほうが不良みたい、という印象を覚える。

「俺も君と同じクラスだから。よろしく、菜友」
「うん、よろしくね」

きゅ、っと握った臨也君の手は妙に冷たかった。



またここから臨也ルートとドタチンルートに分岐します
臨也ルート、静雄ルートにはBAD ENDもあったり




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