- ――5月26日 このBASARA学園に転校してきて、あっという間に1ヶ月がたとうとしている。 私としては慣れてきたかな、というところ。 とはいえ、まだクラスの全員と話した訳ではなく。 「お、おはっおはようでござる!高瀬殿!」 「あーあ旦那、どもりすぎ」 「おはよう…えっと、真田君と猿飛君」 こうして、初めて挨拶を交わす人もいたりする。 「ってゆうか初めましてだよねー。俺様と旦那のことは名前でいいよ?ね、旦那」 「勿論!幸村とお呼びくだされ!」 「あ、はい。じゃあ私も菜友で」 前から思っていたけれど、とても元気な人達みたいだ。 幸村君はこちらを見ながら不自然に口をもごもごさせ、意を決したように勢いよく声を張り上げた。 「お願いがありまする!」 「は、はい!何でしょう!」 「我がサッカー部のマネージャーに、是非ともなっていただきたい!」 … 「……」 「あの、菜友ちゃん?」 佐助君に声を掛けられて、私ははっと顔を上げた。 意外すぎるお願いに思わずフリーズしてしまった。 私と彼等は初対面だし、自己紹介の時にサッカーが好きです、なども言っていない。 「あの、なんで私を…?」 「んーいい子そうだし、頭良いし。あとは可愛いから!って旦那と言ってたんだけど」 「さ、佐助ぇ!」 「は、はあ…」 何故か過大評価されてるみたいだ。実際、全くそんなことはない。 でも、誘ってくれた事はかなりうれしかった。これは交流を深めるチャンスでは! 「はい。今日の放課後、見に行きます」 「…っ!やりましたぞ、おやかたさぶぁああああっ!」 「旦那、声が大きい」 …何だかとっても楽しくなりそうだ。 ここからさらに佐助ルートと幸村ルートの選択が待っています |