- 上条当麻、当麻くんとは学園都市に来る前からの友達…腐れ縁の仲だ。 そして補修仲間、さらにはほぼ私が彼の寮に入りびたっているせいで同居人と化している。 まあそんな切っても切れない縁な私達は、今日の夕飯の買い出し諸々を済ませにデパートに来た。 「当麻くん、クレープとアイスとパフェ奢って」 「……海、太るぞ」 ちなみに当麻くんは、デリカシーがない。(そのくせ女の子と出会う度に惚れられる) 「…」 「うわあああああすみませんでした海さん!どうかその車を放してください!」 能力を使って持ち上げた車(人は乗ってないよ!)を当麻くんのほうへ振りかぶれば、土下座をせんばかりに謝られた。レディーに体重の話は禁物だ! 「あ、そうだ当麻くん。今日デザート作ってあげるよ」 「そりゃまた急だな」 「…ほら、ホワイトデー!」 「いつの話だよ…」 当麻くんは呆れたように笑っていたけど、私は既にメニューを思案していた。何がいいか、インデックスちゃんに聞こうかな…? 「っと、あれ…?ねえ、当麻くん。あれ美琴ちゃんかな?」 「ビリビリ?何処だ?」 「おーいっ美琴ちゃーん!!」 少し離れた、下着売場に美琴ちゃんを発見。久しぶりに見かけた友達に、私は嬉しさのあまり全力で走り出した。 「美琴ちゃーん!」 「わっ?!」 「掴まえた!久しぶりだね!」 ぎゅうっと美琴ちゃんに抱き着く。うん、美琴ちゃんの匂いだ! 美琴ちゃんは私より年下なのに背が高い。むむむ、抜かせないなあ。 「何だ…海ね。びっくりするじゃない!」 「えへへー偶然だね。久しぶりに会ったから嬉しくって! 美琴ちゃん、それ買うの?」 私のほうが年上なのに、どうも年下扱いされてしまうのはいつものこと。実際、当麻くん曰く私が年下に見えるらしい。 そんなことより私の目を引いたのは美琴ちゃんの手にある下着だ。 「へっ?!あ、あのね、これは!」 「美琴ちゃん、可愛いの好きだもんね!あ、それもいいけどこれは?」 美琴ちゃんが持っていた下着は白が基調。対して私が出したのはピンクを基調としたもの。 「…可愛い、かも」 「でしょ?下もお揃いでね! うん、可愛い可愛い!」 美琴ちゃんは気に入ってくれたようで、2枚の下着を買うことにしたようだ。 「今度は海の選んであげるわよ!」 「え、本当?何か照れるなあ…」 何だか照れくさくて、へらっと笑う私に美琴ちゃんは2枚の下着を差し出した。 水玉か、フリルがたくさんついたものか。色はどちらも白やピンクだ。 「うーん…どっちがいいかなあ」 「そうね…ちょっと待って」 美琴ちゃんがそれらを私にかざしていたとき。 「海ー!探したぞー…!」 「あ、当麻くん」 「うえっ!?あ、あんた!?」 軽く息を切らした当麻くんが私達の前まで走ってきた。 そのままいつもの説教をしそうになった彼の前に、美琴ちゃんが選んでくれた2種類の下着を突き出す。 「当麻くんは、どっちがいいと思う?」 「右」 反射的にビシッと答えた当麻くんが示したのは水玉。なるほど、さすが昔なじみ。私がつい選んでしまう水玉をつくなんて。 「ほうほう。美琴ちゃんは…あ、れ?美琴ちゃん…?」 なんか、ビリビリしてる。 主に……当麻くんに。 「アンタって人は…下着売場に入ってくるだけじゃ飽きたらず!海の、し、したっ下着を!」 真っ青で後ずさる当麻くん。 真っ赤になってビリビリする美琴ちゃん。 「あのね、美琴ちゃん!私達昔なじみだからもう羞恥がないというか…!」 「この変態!」 ビリビリ炸裂。真っ赤になった美琴ちゃんの電撃を右手ではじきながら当麻くんは私の手を取った。 「あ、ねえこれ欲しい」 「レジは向こうだ!とりあえず行くぞ!」 「美琴ちゃーん!またねえ!」 半ば当麻くんに引きずられながら、私は美琴ちゃんに手を振った。 「こんの……バカップルがああああ!」 「美琴ちゃん怒ってたねえ」 「不幸だ…」 ちなみに下着は買ってもらいました。 #無意識過剰 title by Memory Girl様 |