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悩み事。最近の私には、思春期さながらの悩み事がある。
任務を終え、帰宅したオカンこと佐助さん。
彼は庭の井戸で顔を洗っていた。
「…佐助さん」
「あれ、夏ちゃんどうしたの?そんな顔してさ」
ごくり、生唾を飲み込み、私は意を決して佐助さんの肩を掴んだ。
「相談があるんです…!」
「相談?いいけど」
「最近…」
「幸村さんを見てるとムラムラす「佐助ぇええええ!夏殿おぉおおっ」
突然の幸村さん登場に、私はぎゃあ!っと腹の底から悲鳴をあげた。これはきっとアレよ…!めちゃくちゃ可愛い天然な彼女をつい襲ってしまったうっかり狼さんの彼氏と同じ 罪 悪 感。
「夏殿?驚かせてしまったでござるか?」
(危ない危ない…あんな相談聞かれたら…はっ!)
そして私は不意に自分の悪知恵…違う違う、恋愛脳が働いたのを感じた。
思い立ったら即行動、がモットーの私はすぐさま佐助さんに近寄り、小声で囁く。
「とゆうわけで私は最近幸村さんに並々ならぬ性的興奮を覚えているので、今協力してください。いいですね!」
「夏ちゃんに女としてのプライドはないの?」
呆れ顔な佐助さんをギッと睨み、私は声を切り替えた。
「違うんです幸村さん!
今佐助さんが私に破廉恥なことをしたんです!」
「な…?!」
「え…」
ふふふ、もちろん一部始終を知っている皆様にはお分かりでしょうが断じてそんな事はありません!作戦やで!
「さ、佐助…!」
「悪いけど流石に否定させてもらうよ夏ちゃん。俺の好みはかすがみたいな、もっと女らしい感じだから」
「(覚えてろ猿飛…!)
ひどい…!あんなことしておいて、私の体を侮辱するなんて…幸村さんっ!」
適当に頭に浮かんだ言葉と渾身の演技をフル活用した私は、泣き(真似をし)ながら幸村さんに抱き着いた。
今だに驚いている幸村さんは、私を抱き留めて視線を佐助さんに向けた。
「佐助…それが誠なら、真田忍隊にあるまじき、恥ずべき行為。見逃す訳にはいかぬ!」
「ねえ旦那、槍持つのやめて!まず俺様がそんな事すると思ってるの!?」
「幸村さん、男はみんな狼です!あんなこと言っておいて、いざ盛れば揉むわ突っ込むわなんですから!」
「ちょ、夏ちゃんが一番下品だから!」
佐助ぇ…と、話を聞いた幸村さんはひどく寂しそうに佐助さんに軽蔑の念をしめす。多分あんまり意味分かってないけど。そこも可愛いね!
「幸村さん…この傷を癒すには、幸村さんとゆっくり時間を過ごさなければいけません…!」
「む…夏殿のために某が力になれるならば、いくらでも!」
「きゃあ!さすが幸村さん!いざ行かん、私達のエデン!」
騙されているとはさらさら気づいていない幸村さんは、私に手を引かれ城内へと歩みだした。まあ罪悪感はないわけじゃないけど、女には方法を選ばない時があるのよ!と自分に甘くフォローしておいた。
ところであのあと放置した佐助さんについて。幸村さんから、1ヶ月分給料を抜かれたらしい。
ちなみに。
「俺様の犠牲あっての幸せだから」
と母親のような目でねちねち言われまくった私は、しばらく佐助さんには優しくしなければ、と心に誓った。
#恋に犠牲はつきもの
(要注意!)
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遅くなってしまいましてすみません!さらにヒロインと言い難い態度ですみません!
自重も文才もログアウトで申し訳ありません。返品、修正はいつでも受け付けております。
ご参加ありがとうございました!