- 「ニノお姉ちゃん…?」 今日はP子が起こしに来てくれました。久しぶりに起きた僕は、川の近くでぼーっと空を眺めるニノお姉ちゃんを見つけたのです。 「あら本当! ニノー!」 P子が僕の手を握ってお姉ちゃんのもとまで走りました。お姉ちゃんはギギイ、とろぼっとみたいにこちらを見ましたです。 「…少し、元気がないのです」 何だか、ぼーっとしてるのです。 笑顔のまま固まっているお姉ちゃんを覗き込んでみますです。どうしたんでしょうか? 「ニノ?どうかした?」 「お姉ちゃ…モゴッ!」 ビチビチ、生きのいいお魚さんが僕とP子の口にほうり込まれたのです。ニノお姉ちゃんは、何でもないぞ!と固まった笑顔のままお魚さんを押してきます。 生はきついのですよ…。 「これはあとで焼いて食べるのです P子、早く出すのです」 「んんー!…はあ、苦しい…!」 お魚さんをふかふかな場所へ置いて、僕はお姉ちゃんをまた見ました。するとP子がああっと跳ねました。 「リクが仕事でいないから寂しいのね!可愛いーニノ!」 どうやら、そのようです。こくん、と首を動かしたお姉ちゃんはお魚を焼き始めます。 「いいわねー!わ、私も!もしだけど、村長が仕事で居なかったりしたら寂しくなっちゃうもの!」 「さびしく…?」 「海はそう思うことはないの?!」 僕は考えますです。みんな、居なかったらさびしいのです。 そう言うと、P子はそれはそうだけど!と、もじもじしています。 「ほら、ちょっとでも離れると寂しい人とか あ、男の子ね!」 男の子…?さびしい? 僕はうー、とまた考えるのです。 (ぜってえ俺だ!海は俺にゾッコンなはず!) (な、お前ニノさんは?!) (バカだな!海は俺の妹も同然の存在だ!超可愛い妹だ!ニノとは違う可愛いさが…… …ってこのクソネクタイ!なんでここに!) 「星、お外に出かけちゃうとさびしいのです」 (やっぱり!) (なんでこの天体なんかが…!) 「星!?意外だわ!」 「海はなんで寂しいんだ?」 「星、お外にでるときは星じゃなくなっちゃうからです」 *あらかわにっき5 (そういう意味か!) (マスクないと誰だかわかんないもん、お前) |