「あれっ」
目が覚めると知らない部屋のベッドの上にいた。ここどこだろう。みんなどこにいったんだろう。いろいろと頭を巡らせながらまず起き上がろうと体を起こす。すると体に激痛が走った、なんでこんなに手足がいたいの。病院のときの状況と重なって急にこわくなった。わたしが寝てる間に何があったんだろう。

「いたっ…」
やっとのことで重い身体を引きずりながらわたしは部屋をでた。廊下にでると下から聞き覚えのある声がする。よく耳をすませてみれば声の主は高畑くんと天谷くんだった。わたしは急にうれしくなって急いで階段を降りて二人の下に急ぐ。

「バカお前早っ」
「ちょ、瞬ティッシュとって」
「ティッシュどこだよ」
「そこだよそこ、あーやばい」

階段を降りるにつれ二人の会話が鮮明に聞こえてきた。そして階段を降りきり息を整えながら二人に近づくと私の足はピタリと止まった。

「うわっうめちゃん」
「赤くなってかーわいー」
「な、なにしてるの!」

全裸の天谷くんと苦笑いを浮かべた高畑くんをみてわたしは自分の顔を覆った。ほら、はやくパンツ履けよと高畑くんの声と天谷くんの笑い声がきこえる。もう勘弁してくだい。

「あの、ごめんねうめちゃん」
「俺のこうなった原因うめちゃんだけどな」
「ばっ天谷黙ってろ」
「えっわたしが原因って」
「いやこっちの話、あっそれより身体まだ痛いよね」
「ちょっとだけ…」

わたしが寝てる間に何かあったのと高畑くんに問うとバツの悪そうな顔で実はと話してくれた。奥くんとクリスさんが喧嘩したこと。高畑くんと天谷くん、それに寝ているわたしを巻き込んで床に倒れこんだこと。偶然にもそのタイミングで銅像が動き出した、けれどもわたしたちの部屋ではなかったこと。高畑くんが嘘をついてみんなを部屋に戻したこと全部全部。

「大変だったね、」

苦笑しながら高畑くんに言う。なんてわたしも他人事のようにいっていられないんだけどさ。何故かどうしても気になっちゃって天谷くんの方に視線を向けると下着を逆に履いていた。高畑くんが指摘してくれるのを待ってよう。

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