ロープに導かれるまま上へ上へとあがると光が差し込んできた。 「なにここ、」 出口の井戸をでるとそこは天井も壁も真っ白な大きい箱の中だった。そして壁にぴったりと四つずつ白い箱が左右両端並んでいる。計八つ。 「一人ひとつの箱ってことかな」 「そんなの私いやよ!」 わたしが思わずそう呟くといちかちゃんが反応した。わたしだって嫌だよ。ひとりで戦いたくない。みんなが困惑する中それは突然で、わたしたちから一番近くの白い箱の上からオーイエスと誰かの声が聞こえた。全員が一斉に声のするほうを向く。 「この中早く入れお前ら」 オーイエイなんて陽気に喋りながらびしっと下、つまりわたしたちから見て真ん前の部屋を指差す銅像。この銅像何処かでみたことある。ああそうだ教科書で見たんだ確かしょうべん小僧だったかな。 「お前ら、っていったよな」 「てことはみんな一緒ですね」 高畑くんと平井さんの言葉を聞いて安堵し胸をなでおろす。そして奥くんを先頭にみんながぞろぞろと箱の中に入った。入るとそこはどこかのホテルのロビーのような綺麗な部屋が広がっていた。ちらりと奥を覗けばちゃんとトイレもキッチンもあるし水もでる。 「とりあえず一通りみんなで調べてみようぜ」 奥くんの一言でみんなが二階へ探索しにいく。置いていかれちゃう。わたしもみんなの後ろを追うように階段に足を伸ばしそこではっと気づいた、天谷くんどこだろう。くるりと後ろを振り返ると背を向けている天谷くん。天谷くんは入ってきた扉を一点に見つめている。 わたしは伸ばしていた足を戻し天谷くんに近づいた。 前 │ 次 |