「ここから出るには八人必要みたいでさ、あと二人足りないんだよ。だから俺たちときてほしいんだうめちゃん、天谷」

必死にお願いしてくる高畑くん。わたしの答えはもう決まっていた。ついていくにきまっている協力だってなんだってするよ。

「えっとわたしは良いよ、むしろ連れていってほしいくらい」
「よかった…天谷はどうなんだ」

高畑くんがそう問うと秋元さんの後ろにいるわたしの知らない面々が天谷くんを仲間にするのは嫌だと反論してきた。口々にみんなが言う中高畑くんが静かに続ける。

「本当にもう他に生きてる奴がいないとしたらこれがラストチャンスだ。生きるためにここは退いちゃいけない」

説得力のある言葉。わたしも、もう生きている人なんていないと思う。それに居たとしても欠けることなく助けれるかなんてわからない。なにより天谷くんを置いてなんていけない。なんて悶々と考えていると黙っていた天谷くんの口が開いた。

「仲間とは助け合い高め合い許し合う、これからは何が起ころうとも俺たちは裏切ってはならない」

淡々と言葉を紡ぐ天谷くん。そしてさきほど破壊したこけしから奪ったこけし型の鍵を床に投げ捨ていい放つ。

「そういう契りなら是非」