私には付き合っている人がいます。それは、クラスメートの折原臨也くんです。彼は人間の弱みを握るのが好きなようです。私達が付き合っているのも事の始めは折原くんが私を脅してきたからだもん。あの時は怖かったね…!恐怖で登校拒否になったわ。まあ、今はちゃんと好きだけど。って何言っているんだ私は。


話は戻るけど…今日はその彼氏である折原くんのお誕生日なわけですよ。昨日までずっとプレゼント考えていたんだけど、何も思いつかなかったから平和島くんに相談したんだ。そしたら平和島くんは「毒蛇でも渡しとけ」って言ったんだよ…!ひどいよね。


結局私の抗議のおかげで真面目に考えてくれた。平和島くんのアイデアでプレゼントはシルバーのネックレスに決定。折原くんお洒落さんだからね…!ナイスだよ平和島くん!さすが同じ男の子!


そんなわけで買ってきたプレゼントをスタンバイして、私は今折原くんのお部屋に来ています。ブツブツと1人で折原くんについてお話ししていると話の中心人物、折原くんが私の名前を呼びました。


「あ、折原くん」
「お待たせ、オレンジジュースでよかった?」
「うん…!ありがとう」


グラスに並々と注がれたオレンジジュースをこくりと一口飲む。目の前に座っている折原くんはコーヒーなんて飲んでるし。大人だあ…!私コーヒー飲めないんだよね。高校生にもなってコーヒー飲めない私って子供なのかな。折原くんも私にオレンジジュース持ってきたし。


あああ、オレンジかコーヒーかなんて今は関係ないんだ。今日は誕生日。まずプレゼントを渡さないと!よしいけ!私!


「……あのね、折原くん!」
「ん……何?」
「お、お誕生日おめでとう!」


おずおずとプレゼントを渡す。喜んでくれるかな。どきどきしながら箱を開ける折原くんに視線を送る。


「君にしてはなかなか趣味がいいね、気に入ったよ」


なんか所々言い方が上からだったけど喜んでもらえてるし良かった。と、気をよくしてしまった私はNGワードをだしてしまったんだ。


「よかったあ…それね、平和島くんのアイデアなんだよ!」


次の瞬間。持っていたネックレスを床に放り投げる折原くん。ぎゃー何するの!それは私のおこづかい一か月分で買った物なのに!折原くんは何やら不機嫌モード全開で私のほうに近づいてきたよ。


「さっきの訂正…あれ趣味悪い。ほんと駄目」
「…折原、くん」
「まあ、あれはシズちゃんからのプレゼントって事しておいて」
「あれ私のお金!」
「君は何をくれるんだい?」
「何も持ってませんが」


折原くんは手ぶらできた私に何を求めているんでしょうか。ケーキなんてないからね!お財布カラだからプレゼントも用意できないよ。なんて心の中で葛藤していると折原くんの手が伸びてきた。


「ねえ…キスくれない」


ぐい、と私の後頭部を折原くんが押さえつけて、引き寄せられる。折原くんの顔が急接近したところで恥ずかしさに負け目を瞑る。その瞬間。じんわりと苦いコーヒーの味が口を侵した。




人間より君を観察しようか



110504
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臨也おめでとう!