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ぎしり、とベットのスプリングが耳に響く。何ごとかと目を開くと、臨也の顔。現在進行形で私に覆い被さる臨也は、暗い部屋に射す月明かりに丁度良く当たって表情がはっきり読み取れた。


「何のつもり、ですか」
「見て分からない?」
「嫌がる女子高生に変な事したら…犯罪ですよ」
「君は嫌がってないでしょ」


にっこりという副詞がぴったりと言っていいほどの貼り付けた笑みで、じりじりと近づいてくる臨也。今更ですが言っておきます、私とこいつは恋人ではないです。仕事上の上司と駒です。まあ、そんな事考えているうちに、いつの間にかわたしの服の中に臨也の手が進入して体を躊躇い無く触る。


「抵抗しないんだ…」
「そんな事したって無駄でしょ?」
「いや今大声出せば隣の部屋にいる波江に聞こえるかもいれない…助かるかもよ?」


「臨也」
「ん?」
「口、塞いで。邪魔されないように」


わかったよ。そう言いながら口角をあげ、顔の距離を更に近づける臨也を目に焼き付けながらわたしは目を瞑った。




110711