※パラレル
※大介さんin日本
ある日、海外に行っていたじーちゃんがいきなり男の子を連れて帰ってきた。男の子は自分と肌色も違う子で、じーちゃんは「今日から家の息子だから☆」と言って笑った。その後母ちゃんにすげー剣幕で何か言われじーちゃんはて半泣きになっていた。
「誘拐してないって!いたいけな子供をそのままにしておけっていうのか、ええ!?」
じーちゃんが母ちゃんに何やら言い訳をする横で、青い髪をした男の子はもじもじとこちらを見ていた。とりあえず笑顔で手を振ってみると、その男の子の顔が一気に華やいで、ぶんぶんと手を振り返してきた。まるで犬の様なその動作に、思わず笑みが零れる。近所にいる弟分を思い出した。
「ほら守とロココもすっかり仲良し!」
じーちゃんが母ちゃんにヘッドロックをされながら、苦しげに口を動かす。父ちゃんがまあまあと間に入って母ちゃんを宥めていた。
「母ちゃん、俺この子好きだ」
可愛い弟だというような意味合いでそう言った。その時の母ちゃんの顔と「グッジョブ」と口パクしたじーちゃんの顔はきっと一生忘れない。
「マモルー!見て見て!」
高校の制服に身を包んだロココが笑う。俺は溜め息をついて拍手をした。
「わあマモルの制服ちっちゃーい」
ロココがきゃっきゃと笑うと同時に俺の心に100のダメージ。ロココと俺の身長差が二桁を突破してからもうだいぶ経つ。可愛かった弟分は、もういない。神よ俺が何をした。
「マモル可愛いー!」
ロココは朗らかに笑いながら、俺をぎゅうっと抱きしめた。微妙に屈んでいるのが凄く屈辱的だ。
「マモル知ってた?」
ロココが俺の体をぱっと離す。それから学生服の襟を誇らしげに整えながら俺を見た。
「僕らは本当の家族じゃないから、ホーリツ上結婚できるんだよ!18歳になったら即入籍しようね」
ロココは胸をぴんと張った。それからふふんと鼻を鳴らす。俺はまた小さく溜め息をついた。
「同性婚は禁止だバカ」
(だからお前の故郷に行こうとかね!)