最近私はよくキャプテンに恋の相談を受ける。(私だけでなくマネージャーの先輩方も受けているが)きゃあきゃあいいながら所謂恋バナをするのは女子学生の特権といっていいかもしれない。私は秋先輩と夏未先輩の好きな人が実はキャプテンでないかと思っているが、どうだろうか。まあそれはさておきキャプテンは風丸先輩が好きらしい。確かに風丸先輩はサッカーも上手いし優しいし男らしいし、顔も良くて好きになるのも頷ける。更に幼なじみで付き合いも長いし気心が知れている風に見える。私が思うには脈ありのような気がするが、キャプテンはそうだと思っていないようだ。
「無理なんだって」
キャプテンがユニフォームを脱ぎながら呟く。見えた薄い緑色の下着に、最近キャプテンはお洒落になったなと思った。昔は色気のないスポーツブラばかり着ていて、大きくて立派な胸がなんだか可哀相だった位だ。
「そんなことないよ」
秋先輩がにこりと笑う。キャプテンはシャツのボタンをとめて言った。
「だって自分より美人な好きな奴って…」
キャプテンがガックリ肩を落とした。言っては悪いが風丸先輩は女顔だ。しかも美人系で、よくナンパされるらしい。対してキャプテンは可愛いといえる容姿だけれどもどちらかといえば男らしく、二人とも性別と逆のような顔立ちだ。そして二人はそれを凄く気にしている。難儀なものだ。
「あら、もうこんな時間ね」
夏未先輩が時計を見て言った。もう下校時間まで後5分もなく、キャプテンは慌ててスカートのホックを閉めた。私も鞄を持ち、心配だからといつも私を待ってくれている兄の姿を想像して一人笑った。
「お疲れ!じゃあ鍵持っておくな」
そう言ってキャプテンがドアを開ける。と、少し離れた場所に風丸先輩が立っていた。
「円堂、帰るぞ」
キャプテンの顔が一気に赤くなるのが分かった。もう冬も近付き日が沈むのも早くなっている。心配だから送っていこうということだろう。お兄ちゃんと一緒だ、家族愛との違いはあるが。
「よかったですねキャプテン!」
そう言ってキャプテンの背中を押す。死にそうな位真っ赤な顔のキャプテンは私を睨むと、風丸先輩の方に歩を進めた。

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