※完全パラレル
※同じ学校な南円


雷門の南雲、といったら不良の中では有名らしい。そうでなくても学校ではとても恐れられている。髪は赤いし、顔は格好いいが態度も柄も悪いし授業はサボるし教師からの評判もあまり良くない。また一緒にいる涼野も、何をするか分からない考えていることが分からない、と皆に言われている。親は何回も呼び出されているとヒロトが笑っていた。ヒロトは昔南雲達と一緒に喧嘩をする日々を繰り返していたらしいが、俺にサッカーに誘われてからは止めたらしい。円堂君のおかげだ、と言われた時は凄く嬉しかった。しかしヒロトは今でもしれっと南雲達と話すから皆には何となく恐れられている。だが俺自身はクラスも違うし、特に南雲とは関わりを持たなかった。

「円堂」
そんなある日の昼下がりだ。少し不機嫌そうな顔をした南雲が俺を訪ねてわざわざクラスまでやって来たのだ。クラスの和やかな雰囲気が固まる。皆の視線は俺に集中した。
「…俺?」
何故呼ばれたかいまいち理解出来ない俺は南雲に問うと、南雲は大きく頷いて「ちょっと来い」と言われた。
「え、円堂がヤられる」
半田が小さくつぶやいた途端、染岡が俺の肩を持った。え、俺、殺られるの?
「お前には用はねーよ」
南雲が染岡を睨む。染岡も南雲を睨み返したが、染岡を巻き込むわけにはいかない。大丈夫だ、と言って南雲の所へ行った。
「来い」
南雲が俺の手を引っ張る。強い力だ。これから俺は校舎裏にでも連れていかれて、お前生意気なんだよとボコられるのだろうか。暴力は嫌だからそうなったら早めに逃げよう。
「円堂」
南雲が俺を連れてきたのは立入禁止の屋上だった。周りに仲間がいるわけでもない。もしかして一対一なのか。
「ずっと言いてーことがあったんだけど」
こういう場合次にくる言葉は恐らく「お前うざいんだよ」だ。そういう場合俺は何て返せばいいんだろうか。待てよ、これは本当は殴り合いじゃないのかもしれない。もしかしたら南雲はサッカー部に入りたいが皆の前では言えずに俺を呼び出したのかもしれない。そういや南雲もサッカーするって前にヒロトが言ってたしな。おお、なんだそういうことか!だったら南雲は「俺をサッカー部にいれてくれ!」というのだろう。そうしたら俺は「もちろんだ!」と言うまでだ。よっしゃ来い。
「一目惚れなんだ、付き合ってくれ!」
「もちろんだ!」

「…ということで付き合うことになりました」
「ちょっと南雲殺ってくる」
ヒロトに報告すると、輝かしい笑顔でヒロトがそう言った。が、直ぐにいつも南雲といる厚石がニコニコ笑いながらやって来て、ヒロトを叩いた。
「許さんよ」
「何だって?南雲べったりが」
「友達思いなだけだよ」
ヒロトと厚石が言い合いをする中、今日の放課後の初デートが意外に楽しみな俺がいた。


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よく分からないことに\^o^/



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