※数年後
※同居してた設定


「ただいま、南雲」
勢い良くドアを開ける。それから靴下を脱いで洗濯機に入れ、リビングを覗いた。だが、誰もいない。
「あ」
そうか、南雲はもういないんだった。

二人いたはずの部屋に、今は俺一人だ。南雲の荷物がない部屋はがらんとしていて、南雲荷物多すぎ、と怒って喧嘩をした日が思いだされる。
「…意外と、淋しいもんだな」
南雲は昨日、日本の外へ旅立った。外国に南雲の戦力が欲しい、というチームがあり、そこへ行ってしまったのだ。
「3年待ってろ」
空港で南雲の言った言葉だ。くれないか、とかではない、なんと彼らしい傲慢な言葉だろう。けれどもいつも口から出るからかいの言葉とは違って、真剣な言い方だった。だからうっかり頷いてしまって、彼は満足げに笑って手を振ったのだ。本当は待つ気なんてなかったのだ。待っていたら、待っている間ずっと淋しい思いをして、泣いてしまうから。
「3年たったら何か変わるのかよ」
ベッドに寝そべり呟く。3年、1095日、26280時間、1576800分、94608000秒、それで何が変わるというのだろう、彼は何を基準として3年なんて言ったのだろう!あと1095回朝夕を通り越したら、彼はきっかり迎えに来てくれるのだろうか?
「無理だよ、」
鼻がつんとして、目から涙が零れた。
「もう会いたいもん」
3年待ってろ、なんて死刑宣告にも等しい言葉だ。いっそ、別れようと言われた方が楽だったかもしれない。
「今頃笑ってたら殺す」
好きだ。


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バン円同盟様に入ったよ祭\^o^/一人で




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