明日の放課後空いてる?とイケメンオーラばしばしで言ったヒロトは、俺の、かっかかかか彼氏というものである。正直あんな優しくて格好いい奴が俺の彼氏になってくれるなんて世の中どうかしてるぜ。というのは置いといて、そんなこ、恋人っぽい会話があったのが昨日。つまり、今日の放課後は、いわゆる、放課後デッdデddデデデッデートというものをするのだ。そうなると身なりが気になってくる。ヒロトに呆れられないように少しでも努力しなければ。
「あ、風丸!おかしいとこないか!」
「……挙動」
きっちり整えたプリーツ、シュシュをつけた髪を見て、風丸が幽霊でも見たかのような顔をした。普段冷静な彼のこんな姿を目にするのは一生の内何度しかないだろう。記念に写真撮りたい。
「どっどうしたんだ円堂…小学校の頃のあだ名が六年間不動の『野生児』で鬼ごっこ無敗歴がすでに伝説になりかけてるお前が一端の女子に変装するなんて、新しい遊びか…?」
風丸はよく円堂を甘やかすと笑った奴出てこい。あと風丸くん優しくてすてき!と言ってる女子もだ。思春期の中学生女子に投げかける言葉かそれは。本気で顔が青ざめて、今ならヒロトの横にたっても何ら違和感がないぞ。
「やべ、時間!風丸明日までに首洗っとけよ!」
先程から固まったままの風丸を放置して待ち合わせ場所の門へと向かう。黒のTシャツにオレンジのシャツを羽織った彼が、こちらを見てにっこり笑った。
「悪い、待たせた!」
「ううん、俺も今来たところだよ。」
すげえ、今の正に恋人の会話だ。内心ドキドキしながら彼の横に立つと、緊張で汗ばむ手がすっと掬われた。
「どこいこっか」
そう平然というヒロトの手は俺の手を握っている。…こ、これは!伝説の恋人繋ぎというものではないのだろうか…!?ええええ何だこれ不意打ちいいい!
「ヒッヒロト!」
「どうしたの?」
あまりの緊張に声が上擦る。それを包むかのような優しいヒロトの言葉になんだか涙が出そうだ。心臓がこれ以上活発に活動したらやばい、死ぬ、本気で。
「…いや、あっはっはー、その、何か食べないか?」
「ああいいね。アイスクリームとかどうかな?」
「おっお、お、おお!俺アイスクリーム三度の飯より好きだぜ!」
嘘ですすみません女の子らしさをアピールしたかっただけだ。そんな馬鹿げた嘘にも真剣に返事をしてくれるヒロトの心の大きさは無限大だ。繋いだ手が熱くて、心臓がばくばくどころがどんどことうるさい。
「円堂くん」
ヒロトがちらっとこちらを見る。そしてまた人好きのする笑みを向けてきた。
「今日、シュシュつけてるんだね。すっごく似合うしかわいいよ。」



死因:放課後デート
(俺にはレベルが高すぎました)


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葉子様
→この度は十万打ありがとうございます!リクエストのヒロ♀円ですが、円堂さんが全体的にうるさい話になって申し訳ありません!趣味に走ってしまいました…。
うれしいお言葉いっぱいいただいて幸せです…!更新頑張らせていただきますね(´∀`)リクエストありがとうございました!


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